韓国「3,500億ドルの対米投資」は“韓国の通貨危機”につながる可能性がある。

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アメリカ合衆国商務省のラトニック長官が、合衆国メディア『CNBC』のインタビュー内で「韓国に対するカツアゲ」圧力を高めました。

合衆国は「韓国企業が困るので政府も早々と音を上げるだろう」と考えているのかもしれませんが、そこにはアメリカ人にありがちな誤解があります。

現在の左派・進歩系の李在明(イ・ジェミョン)さんの政権は基本「財閥系企業」を憎んでいます(文在寅政権と同じ)。

自分たちの支持率が下がれば何でもするポピュリストの権化ですが、関税25%をかけられて財閥系企業が困っても別にどうでもいいのです。

「といってもお前らは金持ちじゃん」という姿勢が平常運転です(文在寅と同じ)。

合衆国政府は「オレたちなら困るから、こうすれば万歳するしかないだろ」とカツアゲを実施しているのですが、李在明(イ・ジェミョン)さんがあくまでも突っぱね続ける可能性だってあるのです。

李在明(イ・ジェミョン)さんにとって都合のいいことに、今回の「合衆国によるカツアゲ」に対して、韓国の皆さんの間に「反米意識」が高まっています。

「鬼畜米、欲しがりません勝つまでは」になるかもしれません。

そもそもアメリカ人はアジアのことなど(現在に至るも)何も分かっていないのです。後になってから「そうだったんだ」みたいなことをいいますが、そのときは「後の祭り」になっているのです。

――それはともかく、合意したとされる「韓国が合衆国に3,500億ドル」について、韓国メディアでは「韓国と日本は違う。韓国にはお金がないんだ」という主張を行っています。

『毎日経済』の記事から一部を以下に引用します。

(前略)
合衆国は5,500億ドルのファンドを造成することを約束した日本の事例を持ち出して韓国を圧迫していると伝えられる

04日(現地時間)に合衆国と業務協約(MOU)に署名した日本は、5,500億ドルを全額現金で調達する案に合意した。

さらに、ファンドが投資するプロジェクトの選定権も合衆国に一任した。投資の履行期間はドナルド・トランプ大統領の任期が終わる2029年01月19日と明確に区切った。

(中略)

これにより、米韓関税交渉の今後のシナリオは、

❶3,500億ドルを韓国が主導し、自動車関税12.5%、相互関税15%へ引き下げ

❷3,500億ドルを韓国が主導し、自動車・相互関税25%を維持

❸3,500億ドルのうち造船協力ファンド1,500億ドルのみ韓国が主導し、2,000億ドルは合衆国が主導するが自動車・相互関税を15%に引き下げ

❹3,500億ドルのすべてを合衆国が主導し自動車・相互関税を15%に引き下げ

❺3,500億ドルのすべてを合衆国が主導し自動車関税12.5%・相互関税15%

――の大きく5つを想定できる。

現実的な妥協案は、造船協力ファンド専用の1500億ドルを死守する方策だ。

代わりに2,000億ドルをトランプ任期内にプロジェクト別に支援する方式を想定できる。

ただし、2,000億ドルも全額を現金で支援するのは不可能だ。

韓国が年間の対米投資に動員できる金額は現実的に200億~300億ドルであり、今年から2028年まで執行しても1,000億ドル前後にとどまる。

したがって合衆国との追加協議が必要だ。合衆国が投資規模を譲らない場合、投資期間を延ばすしかないが、トランプ政権が受け入れる可能性は未知数だ。

3,500億ドルに関する主導権と支払い手段などで合意がなされない場合、米国は現在25%の自動車関税を引き下げないとみられる。

日本がMOUに署名して自動車関税15%を適用されたため、この場合、対米自動車輸出は打撃が不可避だ。自動車は対米輸出の第1位品目である。

政府関係者は「わが方の立場は07月30日の通商合意に従おうというものだ」とし、「合衆国は日本と同じ合意と署名を要求しており、交渉が膠着状態に陥っている」と述べた。

⇒参照・引用元:『毎日経済』「”3500억弗은 韓외환보유액 84% … 美요구 응하면 제2 외환위기”」

ご注目いただきたいのは「米韓関税交渉の今後のシナリオ」として5つを提示している点です。

日本の例から言って「3,500億ドルの全てを合衆国が主導する」という点を合衆国が譲らないだろうからです。

したがって「3,500億ドルを韓国が主導し」と書いてある❶❷❸は全部無理です。

「自動車関税を12.5%にして相互関税15%」というのも恐らく無理なので恐ら❺はないです。

❹の「3,500億ドルのすべてを合衆国が主導し自動車・相互関税を15%に引き下げ」しか無理でしょう。

――しかし「韓国には現金で3,500億ドル出す」のは不可能です。『毎日経済』は、

基軸通貨国ではない韓国が外貨準備高の84%を米国に投資する場合、為替市場の崩壊はもちろん、ドル枯渇による通貨危機につながり得る

――と書いています。

コロナ禍に見舞われた2020年03月には世界的なドル不足に陥り、韓国はドボン寸前に追い込まれました。

それを救ったのは『FRB』(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が緊急で用意した「ドル流動性スワップ」(韓国側呼称は「通貨スワップ」)でした。

この例からいえば、3,500億ドルの拠出が通貨危機につながり得る――という観測もあながち誤りではないでしょう。

(吉田ハンチング@dcp)

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