「中国-韓国 商務長官会議」7年ぶり北京で開催「韓国はレアアースについて心配するな」⇒ 韓国を取り込む中国の動き

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2025年12月12日、韓国産業通商資源部の金正官(キム·ジョングァン)部長(長官)が北京に飛び、中国商務部の王文濤部長と「中韓商務長官会議」を開催しました。

今回のプレスリリースは長いです。以下に全文を和訳します。

韓国産業部-中国商務部、7年ぶりに北京で韓中首脳会談(11.01、慶州)後続措置の履行を協議

金正官(キム·ジョングァン)長官が訪中し、王文濤中国商務部長と韓中商務長官会議を開催

二国間および多国間の機会を通じた長官間の随時疎通により、経済・通商協力を強化することに

金正官(キム·ジョングァン)産業通商部長官は、12月11日(木)~12日(金)に中国・北京を訪問し、王文濤 中国商務部部長と韓中商務長官会議(12.12)を開催した。

これは二国間会議としては、2018年06月の韓中商務長官会議(北京、当時のペク・ウンギュ長官以来、7年ぶりに単独訪中の機会として開催される商務長官会議であり、去るAPEC首脳会議の機会に慶州で商務長官会議を開催(11.01)してから約1カ月ぶりに開かれるものである。

今回の会議で両国は、中国の習近平国家主席の国賓訪問時の韓中首脳会談(11.01)における合意事項の後続措置など、両国間の経済・通商協力方案について協議した。

また、金長官と王部長は、両部処間の緊密な疎通・協力を通じて、韓中首脳会談により形成された両国関係の全面的な回復基調を引き継ぎ、民生経済の回復に実質的に寄与しようという点で意見を一致させた。

まず両国は、2022年に最大規模(3,104億ドル)を記録した後、停滞状態にある韓中間の貿易を拡大し、相互投資を促進するため協力を強化していくことにした。

特に、両側は二国間および多国間の機会を活用した長官間の随時疎通を通じて、両国間の経済・通商協力を実質的に協議していくことにした。

彫刻は、これまで両国間貿易が主として商品貿易中心で行われてきた点を考慮し、去る首脳会談の機会に締結した「サービス貿易協力強化MOU」を基盤として、サービス貿易拡大方案を協議していくことにした。

あわせて両側は、できるだけ早い時期に韓中FTA共同委員会を開催し、FTA の履行状況を点検し履行向上方案を模索する一方、サービス貿易および投資拡大の基盤づくりのため、韓中FTAサービス・投資交渉を加速化することにし、相互の主要関心事項について意見を交換した。

両国はまた、現在、地方経済の低迷という共通の課題に対応するため、地方経済活性化協力を積極的に推進していく必要があるという認識を共有した。

これに向けて、韓国側は中国地方政府(広東・江蘇・山東)との交流チャネルを通じた協力を継続する一方、既存の沿海地域地方政府中心の協力を中西部・内陸地域へと拡大していくことにし、中国側はセマングムなどへ投資調査団を派遣するなど、新たな地方協力モデルをともに構築していくことにした。

また韓中文産団地次官級協議会などのチャネルを通じ、韓中文産業協力団地を基盤とした投資協力活性化方案についても協議していくことにした。

2015年の韓中FTA妥結を機に、(韓)セマングム、(中)煙台・塩城・恵州が指定された

両側はまた、両国のサプライチェーンが緊密に結びついているだけに、レアアースなどサプライチェーン核心品目の導入円滑化のための疎通を継続していくことにした。

また両側は、韓中輸出管理対話を基盤として、共通許可制度の積極的活用を通じ、レアアースなどの核心鉱物の円滑な貿易を支援することにした。

さらに韓国側は、最近の中国産熱延鋼板などに対する貿易救済調査に関連し、WTO協定など関連規定に従い、公正かつ透明に進行中であるという立場を中国側に伝えた。

併せて両国は、貿易救済措置による不必要な誤解や摩擦を防止すべきであるとの共感を形成し、このため局長級通商チャネル間で定期的に会議を開催するなど、貿易救済措置前の十分な疎通方案について協議した。

最後に両側は、WTOを中心とする規範基盤の多者貿易体制の重要性を再確認し、APEC、RCEPなど地域内体制を基盤とした協力も継続していくことにした。

特に、来年度のAPEC議長国である中国側の成功的な開催を支援するため、韓国側の経験を共有するなど協力していくことにした。

両側は会議終了後、「韓国産業通商部と中国商務部間の2026年度重点協力事項」に署名した。

これを基盤として両部処は、協力チャネルの円滑な運営、貿易・投資行事の相互支援、多国間会議の機会での協力などを進め、両国の経済・通商協力を滞りなく続けていく計画である。

一方、前日(11日)金長官は現地の韓国企業と懇談会を開催し、出席した企業人からの苦情事項を聴取し、対応方向について議論した。

特に企業人の主な苦情事項については、今回の韓中商務長官会議を通じ中国側に伝達しており、今後も緊密に議論していくことにした。

また金長官は、中国の代表的な製造AX企業であるシャオミ電気自動車工場を訪問し、中国製造業の革新現場を視察し、関係者との面談を通じ、両国の研究開発動向やビジネス環境などについて議論した。

⇒参照・引用元:『中国 産業通商資源部』公式サイト「韓산업부-中상무부, 7년 만에 베이징에서 한중 정상회담(11.1, 경주) 후속조치 이행 논의」

中国商務部のプレスリリースは短い!

韓国産業通商資源部のプレスリリースは上掲とおり、やたらに長い文書なのですが、実は中国商務部のプレスリリースは非常に短く、かつ抽象的な話しか出てきません。

比較のために、商務部のプレスリリースも以下に和訳して引きます。

王文濤部長が韓国産業通商部長官・金正官と会談

12月12日、商務部の王文濤部長は北京で、韓国産業通商部の金正官(キム・ジョングァン)長官と会談した。

双方は、両国首脳の重要な共通認識の履行、中韓自由貿易協定(FTA)第2段階交渉の加速推進、伝統分野協力の強化、新興分野協力の拡大、中韓経済貿易協力の質の高度化などをめぐり意見を交換した。

王文濤は次のように述べた。

最近、中韓両国の元首が会談を行い、中韓関係の健全かつ安定した発展を促進することについて重要な共通認識に達し、二国間経済貿易関係の発展に戦略的な指針を与えた。

中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議は、中国の今後5年間の発展に向けた壮大な青写真を描き、中国はハイレベルの対外開放を断固として拡大する。

これは中韓経済貿易協力に、より広い空間をもたらすだろう。

双方は、中韓自由貿易協定第2段階交渉を加速推進し、早期の合意達成に向けて努力すべきである。

また、「新たな競争トラック」を切り開き、「新たなエンジン」を創出し、新興分野の協力を積極的に促進し、地方の経済貿易協力を奨励・支援し、産業チェーン・サプライチェーンおよび貿易投資分野での協力を深化させなければならない。

さらに、世界貿易機関(WTO)、アジア太平洋経済協力(APEC)、地域的包括的経済連携(RCEP)などの枠組みの下で協力を強化し、自由貿易と多国間主義をともに維持していく必要がある。

金正官は次のように述べた。

韓国側は中国側とともに、両国元首の重要な共通認識を着実に実行し、中韓自由貿易協定第2段階交渉のプロセスを加速し、産業チェーン・サプライチェーンの安定かつ円滑な維持に努め、貿易救済分野の対話とコミュニケーションを強化し、地方経済貿易協力を継続的に深化させ、さらに地域および多国間協力の枠組みの下でコミュニケーションと調整を強化し、ともに多国間貿易体制を維持していきたい。

韓国側は、中国側がホスト国として開催する2026年アジア太平洋経済協力(APEC)一連の会議を支持し、開催経験を共有する用意がある。

⇒参照・引用元:『中国 商務部』公式サイト「王文涛部长会见韩国产业通商部长官金正官」

中国側のプレスリリースには、韓国側のような「レアアースがどうとか」具体的な話は一切出てきません。

サインしたという「韓国産業通商部と中国商務部間の2026年度重点協力事項」についての言及もありません。

これの具体的な中身が気になるところです。

中国は韓国を取り込み、韓国は「中国面」に落ちていく

韓国側プレスリリースが本当のことをいっているとして、ですが――。

日本と対立していますので、中国側としては(一応&今のところ)自由民主主義陣営国と目されている韓国をさらに取り込む必要があります。

この7年ぶりに北京で行われた、産業通商資源部・金正官(キム·ジョングァン)部長と商務部・王文濤部長の協議の背景は「中国による韓国取り込み」の一環と見られます。

中国は「レアアースなどサプライチェーン核心品目の導入円滑化のための疎通を継続していくこと」など、韓国が心配している点に「OK」のサインを出しました。

これで韓国は「大丈夫だぁ」だと依存を深めることになるのではないでしょうか。

そうなったら「本当にばかだなあ」なのですが、韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さん、およびその愉快な仲間たちは「これぞ実用外校の成果」ぐらいは言いそうです。

一般にも報道されているので、読者の皆さんもご存じでしょうが、韓国は中国のレアアースに対する依存を深めています。

日本が前回の危機時に「これは中国依存を減らさないと大変なことになる」と一念発起して「依存度を減らしてきた」のとは対照的な現状です。

こうして韓国は、自由民主主義経済国から「中国面」に落ちていくのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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