韓国の外為当局が「ウォン安方向で張り付いているドルウォンの為替レート」と関係した異様な動きを見せました。
先に急きょ、韓国の外為当局者がアメリカ合衆国の商務省と会談を行うという件をご紹介しましたが、風雲急を告げている模様です。もちろんこれは合衆国に約束した対米投資2,000億ドルとも関係しています。
2026年06月11日、韓国の財政経済部が興味深いプレスリリースを出しました。以下に全文和訳します。
「不法外国為替取引対応班」会議を開催
外国為替市場を攪乱する不法外国為替取引に対する調査を本格的に拡大し、厳正に対応
当初、今年上半期までの運営を予定していた対応班を常設化財政経済部は、2026年06月10日(水)、政府横断の「不法外国為替取引対応班」会議を開催した。今回の会議は、去る06月07日(日)に開催された緊急市場安定点検会議の後続措置の一環として行われたものであり、特に「外国為替市場の安定を阻害する不法外国為替取引の調査状況および今後の計画」について重点的に議論した。
参加機関:国家情報院、国税庁、関税庁、金融監督院、韓国銀行
関税庁は今年01月から、高為替レートに便乗した不法外国為替取引に対する外国為替検査を進めている。
過去5年間において貿易・外国為替取引規模が大きい企業のうち、申告された輸出入金額と実際に支払・受領された貿易代金との乖離が大きい企業を主要な検査対象として選定した。
今年05月時点で38社に対する外国為替検査が完了しており、約4,154億ウォン規模の不法外国為替取引を摘発した。
国家情報院は最近、顧客企業の資金を貿易代金に偽装して海外へ外貨を持ち出し、現地で購入した暗号資産(仮想資産)を韓国へ持ち込み、これを韓国ウォンで現金化した業者を摘発した。
政府横断対応班は、当該業者による海外資産隠匿および貿易インボイス偽造の有無などについて重点的に究明していく予定である。
対応班は、関係機関間の協力を通じて、外国為替市場を攪乱する不法外国為替取引に対する調査を本格的に拡大する計画である。特に、
➊企業による不法な輸入代金の早期支払および輸出代金受領の遅延
➋変則的な貿易決済
➌財産の海外逃避行為を重点的に調査し、摘発時には関係法令に基づき厳正に措置する予定である。
➊海外へ支払うべき輸入代金を別途申告なしに過度に前払いしたり、海外から受け取るべき輸出代金があるにもかかわらず、虚偽取引によってその回収を回避する行為
➋銀行を通じた支払・受領の代わりに、闇両替(ファンチギ)や暗号資産などの代替手段による貿易代金決済を行い、ドル流動性の供給を阻害する行為
➌輸出価格を実際より低く申告して不当に差額を海外に留保したり、輸入価格を実際より高く申告して不当に多額の外貨を海外へ流出させる行為
また、今年01月15日の発足当時は今年上半期まで運営する計画だった「不法外国為替取引対応班」を常設化して運営することとした。
これにより、意味のある成果を継続的に創出するとともに、外国為替市場の安定を阻害する不法外国為替取引の遮断に万全を期していく方針である。
「不法外国為替取引対応班」を常設化することにした――というプレスリリースですが、これは「ウォン安対策」の一環です。
先にご紹介したとおり韓国の外為当局はウォン安の進行が止められずに(恐らく)苦境に陥っています。
韓国の外為当局は「ドルを国内に持ち帰り、ウォンへの転換(ドル⇒ウォン)を行わせたい」のです。そのための取り締まりを強化し、その監視措置を6カ月延長する――という文書なのです。
この文書で特に注目すべきなのは、当局が重点取締対象として、
❶輸入代金の早期支払い
❷輸出代金の受領遅延
❸変則的貿易決済
❹海外への資産逃避
――を挙げていることです。普通の不正摘発なら「マネーロンダリング」や「脱税」、また「外為法違反」を挙げそうなものです。
しかしこの文書は違います。「輸出代金受領遅延」を問題視しています。
これは要するに「輸出したならドルを早く韓国へ持ち帰れ」です。さらに、
輸出価格を実際より低く申告して差額を海外留保
輸入価格を高く申告して外貨を海外流出
――も挙げています。つまり当局は「ドルが韓国国内へ戻ってこない」ことを強く疑っています。
しかもこの対応班には――
国家情報院
国税庁
関税庁
金融監督院
『韓国銀行』
――が参加しています。これはかなり異様です。市場に「政府は全部見ている」というメッセージを出していることに他なりません。簡単にいえば「韓国必死だな」です。
ウォン安が止められないから、このようなプレスリリースが出るのです。
(吉田ハンチング@dcp)





