日本に限らず、新聞商売は左前という話です。日本語版もネットで出している『中央日報』のグループが左前です。
まず、韓国メディア『聯合ニュース』の記事から以下に引用してみます。
中央グループの持株会社および系列会社5社がドミノ式に会社更生手続きへ入る中、その余波で『中央日報』に1,370億ウォン規模の社債の期限の利益喪失(EOD)が発生したと公示した。
17日、金融監督院電子公示システムによると、中央日報は第43-2回(180億ウォン)、第46回(340億ウォン)、第47回(350億ウォン)、第51回(500億ウォン)など、社債4銘柄について期限の利益喪失事由が発生したと、16日に公示した。
期限の利益喪失とは、債務者の信用リスクが高まった場合、債権者が融資金を満期前に回収することをいう。
『中央日報』は今年02月、第49回無記名式無担保私募社債の引受契約を締結する際、韓国信用評価および韓国企業評価から付与された発行会社の企業信用格付けが直前の格付けに比べて1段階以上下落した場合、期限の利益を喪失するという条項を盛り込んでいた。
最近、206億ウォンに達するJTBCの債務不履行(デフォルト)の余波で、中央日報の信用格付けまで下落したことから、この条項が適用された。
(後略)
瓦解が始まった中央グループ!『中央日報』も飛ぶ寸前!
何が起こっているのかをご紹介します。
ことの起こりは、『JTBC(oongang Tongyang Broadcasting Companyの略:中央東洋放送株式会社』の債務危機です。
『JTBC』は韓国の有力紙『中央日報』系のテレビ局で、韓国の大手メディアグループである『JoongAng Group』(これが『中央グループ』)傘下の放送局です。
『中央グループ』は新聞の『中央日報』、映画館メガボックス、コンテンツ制作会社などを抱える総合メディア企業なのですが――時系列でまとめると以下のようなことが起こりました。
『JTBC』が206億ウォン規模の流動化借入金を満期に返済できず、デフォルトを宣言。
直後に信用評価会社がJTBCや中央日報などの格付けを下げました。
06月14日
中央ホールディングス、コンテンツリ中央、中央P&I、メガボックス中央の4社が、ソウル回生法院に会社更生手続き開始を申請。

06月15日
『JTBC』も更生申請。これで中央グループ5社が更生手続き入りを申請した形になりました。洪正道(ホン・ジョンド)副会長は記者会見で謝罪し、「信用等級下落による資金が行き詰まること」が不可避だったと説明しました(上掲写真)。
同日
裁判所は5社について、資産処分を止める保全処分と、債権者による強制執行などを止める包括的禁止命令を出しました。つまり、会社側も勝手に資産を処分できず、債権者側も先取り回収できない状態に入りました。
06月15日
『中央日報』は更生申請の対象ではなく、法定管理ではなくワークアウト、つまり債権団との協議による財務構造改善を進めると説明しました。
06月16日
『JTBC』は会社更生手続きの開始をいったん保留し、債権者と自主的に構造調整を協議するARSプログラムを希望すると裁判所に伝えました。
06月17日
『中央日報』に1,370億ウォン規模の社債EOD、つまり期限の利益喪失が発生。
43-2回180億、46回340億、47回350億、51回500億ウォンの4銘柄が対象。原則として即時返済対象になりますが、市場ではワークアウトの中で満期延長などを交渉すると見られています。
恐らく「1,370億ウォン規模の社債EOD、つまり期限の利益喪失」が何のことか分からないという方が多いと思われますので、できるだけ簡単にやっつけます。
意味するとことは、
『中央日報』が過去に社債で調達した1,370億ウォンについて、本来はまだ返済期限(満期償還)が来ていないのに、『今すぐ返せ』という状態になった
――です。
『中央日報』には以下の社債がありました。
第43-2回:180億ウォン
(「-2」というのは同じ系列の社債を複数回に分けて発行した場合の枝番)
第46回:340億ウォン
第47回:350億ウォン
第51回:500億ウォン
合計:1,370億ウォン
です。
これらは本来、将来の満期日に返済(償還)すれば良かったのですが、
1.『JTBC』が206億ウォンを返済できずデフォルト
2.『中央グループ』全体の信用が悪化
3.『中央日報』の信用格付けが下落
4.契約上のEOD条項※が発動
5.社債保有者が早期返済を請求可能に
という流れになりました。信用不安のドミノ倒しです。
――で、引用した記事の中身につながります。『中央日報』はワークアウトを進め、満期延長などを交渉すると見られる――とのことで、要するに法律上は「今すぐ返せ」で、実務上は「返せないので、債権者と話し合いたたい」――です。
法律上は「まだ倒産ではない」というだけで、グループとしては実質的な経営破綻状態です。
『中央日報』といえば、韓国では歴史ある有力紙ですし、『中央グループ』は大手メディアグループです。これにて馬糞の川流れから破綻になりますかどうか、ぜひご注目ください。
シンシアリー先生が指摘した「日本で起こったことは韓国でも起こり、その烈度は日本より激しいものになる」――の法則からいえば、
日本で発生しているオールドメディアの衰退が、やはり韓国でも起こり、その激しさは韓国指折りのメディアグループを瓦解させるほどのものになった
――と見ることもできます。韓国より急激ではないにしろ、時間をかけて日本のフジサンケイグループなども瓦解していくのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)





