韓国『SKハイニックス』ADRで資金調達「約43兆ウォン」⇒ 『SKハイニックス』はもはや韓国市場などアテにしない。

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韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは、「半導体投資を半導体企業から引き出しので勝ったも同然」と、すっかり成功した気でいるかもしれません。

しかし、企業経営は李在明(イ・ジェミョン)のようなボンクラに務まるようなものではないのです。巨額投資を強いられたため、そのための資金調達を行う必要があります。

2026年07月06日、韓国の『SKハイニックス』が興味深い公示を『DART』に出しました。

証券預託証券(DR)発行決定
1. DR発行形態
新株DR

2. DR発行総額
・外貨金額(通貨単位) - KRW:South-Korean Won
・ウォン建金額(ウォン)
43,140,750,000,000
(後略)

『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト

簡単にいえばDRをアメリカ合衆国で発行して資金を調達しようというものですが、株式の取引をしない方には恐らく何のことか全く分からないと思われますので、できるだけ簡単にやっつけてみます。

「DR」というのは、「Depositary Receipt」の略で、預託された資産を担保にして発行される証券で、今回は『SKハイニックス』の株式そのものを預託資産として発行されます。

アメリカ市場で発行されるので、前に「A」が付いて「ADR」(American Depositary Receiptの略:米国預託証券)です。

今回のスキームが面白いのは、『SKハイニックス』は第三者割り当てで普通株式(新株DR)を最大1,779万株発行しますが、それだけの資金調達ではない点です。

発行した新株を預託して、これを原株とするADRを発行。このADRをナスダックに上場して資金調達を行うという――いわば二階建てになっています。

新株そのものは投資家に直接売られず、一度ADRという器に「載せ替えられて」から投資家に販売されるわけです。

最大1,779万株発行された株式は『Citibank, N.A.(シティバンク)』に預託します(韓国側の原株保管機関は韓国預託決済院)。

『シティバンク』は預託された原株を裏付けとして、米国預託証券(ADR)を発行します。

原株からADRへの転換比率は「1ADR = 原株0.1株」ですので、最大約1億7,790万のADRが発行されることになります。つまり、原株を10倍の口数に膨らませるわけです。

正確には1億7,790万ADS。ADRは「証書(預託証券)」ですが、実際の市場では何口売買するかという単位が必要。その単位が「ADS」です。原株の1株を基に10口のADRが発行されるわけなので、ADSを単位として「1億7,790万」口という方が正確ですね。

このADRは海外機関投資家向けに公募し、Nasdaq(ナスダッック)に上場されます。ブックビルディング(需要予測)を経て発行価格は決定されます。

『SKハイニックス』の公示によれば、調達(予想)金額は「43兆1,407億ウォン」です。

何のために調達するかというと――上掲の『DART』に公示された資料にきちんと書かれています。

・(前略)調達金額の全額は、

(1) 龍仁半導体クラスター第1期ファブ(建設投資)
(2) 清州P&T7アドバンスト・パッケージング(Advanced Packaging)ファブ(建設、設備および付帯費用を含む)
ならびに
(3) 機械装置取得―EUV(Extreme Ultraviolet)スキャナーの建設および設備投資資金

――として使用する予定であり、その金額はADRの募集総額が今後の需要予測を経て確定した時点で、それに応じて決定される予定である。
(後略)

李在明(イ・ジェミョン)のせいで巨額投資を強要されたので、その資金を調達せにゃならん――というわけです。

もちろん、営業成績がいいうちに資金調達しなくちゃ!――であることはいうまでもありません。

しかし今回のスキームの最大の注目ポイントは、『SKハイニックス』が、新株を直接投資家に販売するのではなく、新株をいったんADRに組み替えて販売するという、その狙いです。

なぜこのようなことをするのでしょうか?

ADRをナスダック市場で海外機関投資家に公募することにより、世界最大の資本市場から巨額の資金を調達し、同時に企業価値の再評価を狙ったから――といえるのではないでしょうか。

つまり「資金調達の市場を韓国から米国へ移した増資」であって、「資金調達の器そのものを合衆国市場向けに設計した」点は、今回のスキームの最大の特徴だと考えられます。

『SKハイニックス』は韓国市場など、もはやアテにしていないのだ――と言うと、邪推が過ぎるでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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