「中国の反スパイ法」違反の疑いで、中国で韓国人が当局に拘束されました。
実際に捕まったのは2024年05月とされていますが、2024年10月28日、韓国メディア『KBS』が報じ、韓国内で注目されました。対応を問われた韓国政府がどのように述べたのかについては、上掲の記事でご紹介しました。
実は波紋が広がったのは中国でも同じで、このニュースはネット上で急速に拡散されました。
拘束されたのが、韓国を代表する半導体企業『サムスン電子』に勤務していた経験がある人物ということで――米中の間で半導体戦争が戦われている最中の出来事ですから――見逃せない事案だというわけです。
中国での反響について、韓国メディア『東亜日報』は以下のように書いています。
中国で「反スパイ法」違反の疑いで拘束された韓国人男性A氏に関連して、
「韓国人は信用できない」
「スパイには厳罰を科すべきだ」という主張が現地のソーシャルメディアで急速に広まっています。
(中略)
31日、中国のソーシャルメディア「微博(Weibo)」では、「中国の複数の半導体工場で働いた韓国人スパイ逮捕」というキーワードが8,000万回以上閲覧され、午前中には一時、リアルタイム検索ランキングの1位に上がりました。
前日に、国営メディアの『观察者网』(観察者網:英語名はObserver/引用者注)が、
「反スパイ法施行後、初めての韓国人逮捕、中国の主要企業3~4社で勤務した元サムスン社員」
というタイトルでA氏について詳しく報じ、ネットユーザーの関心が急増しました。
中国のネットユーザーたちは、
「何度も会社を変えたのが疑わしい」
「韓国はもともと中国を嫌い、中国の技術開発を懸念している」といった批判をA氏や韓国に対して浴びせました。
陝西省高級裁判所など一部の中国機関は、公式ソーシャルメディアに「韓国人スパイ逮捕」というキーワードと共に、スパイ発見時の通報手順などを含む投稿を行いました。
(後略)
中国人が韓国半導体産業をスパイしていた――なら多くの事例がありそうなものですが、韓国人が中国半導体産業をスパイしていた――という話になっており、だからこそ注目を集めているものを考えられます。
中国の公的機関、また中国メディアは、ここぞとばかりに批判しており、韓国また韓国人がスケープゴートになった感すらあります。
(吉田ハンチング@dcp)