韓国の文在寅大統領が「韓国版ニューディール」を唱え、「55万人の雇用を生み出す」と号しているのは先にご紹介したとおりです。
しかし、この「雇用創出」が非常に頼りなく、また新型コロナウイルス騒動で失業者が増えている中、根本的な解決からはほど遠いものであることを韓国メディアの一部は指摘しています。
『朝鮮日報』の記事から一部を引用します。
(前略)
政府は「コロナ事態以後、雇用のセーフティネットを強化するために、短期的にでも必要な仕事」を「60万5,935個用意が可能である」という立場だ。しかし、今回の83個の雇用事業のほとんどは、6カ月以内に終了する。
最も多くの予算(1兆6,331億ウォン)が投入される公共勤労分野では、図書館の本の配信(月180万ウォン)、リサイクル廃棄物処理(月95万ウォン)、100名山のパトロール要員(月200万ウォン)が代表的な雇用である。
ヘルパー・サポーターの名目で大量採用する補助人材も「短期アルバイト」に近い性格の仕事だ。
実際、これらの仕事は小・中・高学生のための勉強メンター(教育部)、デジタルサポーター(科技情報通信部)、伝統的な市場を促進する人材(中小ベンチャー企業部)などで一時的である。
単純入力業務が大部分であるDB構築職、監視要員採用事業には6,480億ウォンが投入される予定だ。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「9兆解放するという仕事が山のパトロール・本配信…」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
雇用創出の名分の下に「1兆6,331億ウォン」の予算を突っ込んで韓国政府が増やす「仕事」は、6カ月限定のアルバイトのようなもの。
図書館の本の配信
リサイクル廃棄物処理
山のパトロール
などが代表的な仕事なのです。
失業者が増加している中、政府などの公共部門で短期アルバイトのような仕事を増やしても根本的な解決にならないのは自明のことでしょう。
こういう内容なので、先にご紹介したイ・チャンヨン『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)アジア太平洋担当局長も「むやみに公務員を増やすべきではない」とアドバイスをしているのです。
文在寅大統領は「所得主導経済」とお題目のように唱えてきたわけですが、それがこのようなお粗末なプランを指すのであれば、韓国の人にとってこれほど不幸なことはありません。
本当に「何をやってるんだ」という話です。なぜこんな企画にハンコが押されるのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)