『韓国銀行』がドル流動性スワップ※1を利用して調達したドルをきちんと返済しているか、を毎週『NY連邦準備銀行』の公開データに当たって確認しています。
『韓国銀行』はアメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したスワップライン※1を通じて約200億ドルを調達しました。2020年06月25日から毎週木曜日はこれの返済日となっています。
07月23日(木)は、第5次調達した85日もの「12億6,400万ドル」(約1,345億2,752万円)※2の返済日でした。
今週もFEDのドル流動性スワップの取引状況データを参照し、確認しました。
まず、「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)は以下のとおりです。
毎週のことで恐縮ですが、『韓国銀行』が2020年05月08日(settlement date:決済日)を最後にスワップラインを利用していていませんので、新しい運用は加わっていません。
スワップラインの契約はとりあえず6カ月でしたので、来る09月にはもう利用できなくなります。
期限前にまた利用してくれると面白いのですが。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
07月23日、未返済額が「12億6,400万ドル」減少しました(他に利子も支払っています)。
残りは、いよいよ6次調達分の「13億2,900万ドル」(約1,414億4,547万円)のみとなりました。
『韓国銀行』は07月に入ってから「95億3,800万ドル + 利子分」で計「95億4,734万2,720ドル」(約1兆161億2,368万5,739円)をキャッシュで吐き出しました。
この借金返済は、韓国の外貨準備の預金規模と比較しても、かなりの高額です(韓国の外貨準備のうち現金たるDepositsは260億ドルしかない:2020年06月末時点)。市中銀行は、『韓国銀行』にきちんとドルを返済しているでしょうか? 気になりますね。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
※2ドル円の換算は2020年07月24日の「1ドル=106.43円」を用いました
(柏ケミカル@dcp)