12月21日、今年最後の金融政策決定会議が行われ、会議後には日本銀行の黒田総裁が会見を開きました。多くの識者から「どうせナニも起きないってば」と目されていましたが、やっぱりそうでした。
黒田総裁が「リバーサル・レート」に言及したということで、緩和政策をそろそろ見切るでのでは……という見方も一部にはあったのですが、さすがに黒田総裁はそのような態度は微塵も見せませんした。
「(前略)金利についても、景気がよいからそろそろ金利を上げるかとか、そうした考えはなく……(後略)」としています。
⇒データ出典:『日本銀行』「総裁記者会見要旨 2017年12月22日」
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2017/kk1712c.pdf
全然達成されないインフレターゲットについては、
「日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します」
とのこと。また、
「生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネータリーベースの拡大方針を継続します」
だそうです。
会議の決定は「現状維持」だったのですが、メンバーの片岡審議委員だけは、この決定に不満を感じているようです。2カ月前には、追加緩和を講じることや、15年物国債金利が0.2%未満で推移するよう長期国債の買い入れを行うことを提言していますので。
結果としては下馬評どおり「無風」で終わった「金融政策決定会議」。いろいろ言われる割にはビシッとした結論は出ないもんですね。
(柏ケミカル@dcp)