韓国の輸出が大変心配になる記事が韓国メディアに出ています。トルコが韓国のとの「FTA」を破棄することを考えているというのです。
FTAとは、「Free Trade Agreement」の略で、国・地域の間で「関税やサービス障壁などを引き下げる、撤廃する」ことを目的として締結する協定です。韓国にとっては輸出がしやすくなるため大きなメリットがあります。
韓国は多国間の貿易協定、例えば日本が推進したTPP(Trans-Pacific Partnership Agreement:環太平洋パートナーシップ協定)などよりも二国間FTAを増やすことを推進してきました。トルコともその流れでFTAを締結したのです。
結果、韓国はトルコから大きな貿易黒字を得ることになったのです。
しかし、ここに来てトルコからFTAの見直しの要請があり、最悪FTAを破棄する可能性があるというのです。この件を報じた韓国メディア『ソウル経済』から以下に引用します。
26日、関係省庁によると、トルコは最近、通商当局との交渉で「韓国-トルコFTA」の全面見直しを要請しました。
FTAが韓国側に有利に設計され、交渉発効後、毎年40億ドル以上の外貨が韓国に流失しているというのです。
今年初めには、問題が解決されない場合はFTAを破棄する案まで検討するとして、通商当局を圧迫しました。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「『兄弟の国』トルコのFTA破棄考慮の理由は」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
先にご紹介したことがありますが、トルコは外貨準備の減少の悩みを抱えており、そのため国自体がデフォルトの危機にさらされています。
以下をご覧ください。トルコの外貨準備の推移です。
ものすごい勢いで減少しているのがお分かりいただけるでしょう。
直近2020年07月の段階では「451億4,500万ドル」しか外貨準備がありません。
このような状態ですので、韓国に40億ドルもの赤字を出すわけにはいかないというわけです。その分、外貨が流出するというわけですから。
FTAが破棄されたら40億ドルの赤字が解消されるかというと、そうもいかないでしょうが、それでも幾分かは外貨流出を抑えることができるかもしれません。
一方の韓国側からすればもうけが減る可能生があるわけで、FTAが破棄されるのは困ります。なにせ韓国は輸出1本で食べている国なので。
韓国はトルコを「兄弟国」としていますが、肉親だろうとお金の話は別。この話がどうなるかは要注目です。
(柏ケミカル@dcp)