韓国といえば徳政令。モラルハザードを引き起こすこと、金融機関に混乱を招くことなどにはおかまいなく借金を棒引きするような法律を通します。
ここのところはおとなしかったのですが(最後にMoney1で韓国の徳政令についてご紹介したのは2017年05月)、ソウル市・釜山市長選挙で大敗北したのが効いたのでしょう、政府与党内部で票を買えるような「徳政」を可能とする法改正を提案する動きが出ています。
韓国メディア『アジア経済』の記事から一部を以下に引用します。
災害に遭い、自営業者・会社員の所得が減少した場合、金融機関が事実上の務付として「借金を帳消しにしてくれる」世界に類を見ない法案が推進される。
この法案は、政府と金融業界、法案審査ガイドラインを提示する国会専門委員まで反対の立場を出しているが、与党が過半数の議席を前面に出して押し通す状況である。
(後略)
この借金棒引きは、「銀行法の一部改正」「金融消費者保護に関する法律の一部改正」によって実現するつもりで、つまり韓国政府は、自然災害時の負担を金融機関に押しつける気なのです。
一朝事あらば、銀行に借金の金利・元本返済を猶予させ、その分の負担は政府が当面肩代わりする――といった施策が一般的ですが(そのお金が入ってこないと銀行が困るため)、この法案が通ると「一朝事あって自営業者・会社員の所得が著しく減少した場合には、金融機関は当該者の債務を減免しなければならない」になってしまいそう、というわけです。具体的には、
危機時、自営業所得が急減すれば、銀行に債務の帳消しを求めることができ、銀行は適切な措置を取らなければならない
とのこと。この「しなければならない」がくせ者で、強制です。
この法律が可決すると、韓国の金融機関は今よりも融資に渋くなることが予測されます。なにせ、天変地異を予測することなんか誰にもできないのですから。
よくまあこのような流動性を阻害するような法案を考えつくものです。
のがこの法案を提出した理由だそうです。
現在の文在寅大統領が後世に「借金大統領」として名を残すだろう、という予測については何度かご紹介していますが、その上、借金を棒引きする法律まで通そうというのです。
悪い冗談としか思えません。
(松田ステンレス@dcp)