韓国『双竜自動車』この期に及んで「役員数を減らす」。役員が33人もいた

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『双竜自動車』の現在位置

法定管理下にあり、生産か再生かのいわば査定が行われている最中の韓国『双竜自動車』。一応、この査定の結果、

清算した際の価値
再生した際の価値

が出ますので、これをもって判断されます。ただし、この結果が大向こうの思惑とは異なる場合もあります。

例えば、先に法定管理下に入ったLCC(格安航空会社)『イースター航空』では、買収して再生しようと手を上げている企業が少なくとも数社ある(諸説あり)ことが分かっていますが、査定の結果は「清算した方が価値が高い」というものでした。

『イースター航空』をどうするのか、裁判所の判断はまだ下されていませんが、このようなちぐはぐな結果が『双竜自動車』でも起こる可能性はあります。

また、『双竜自動車』の場合でも3社が買収に手を上げているとされますが、本当に実行されるのかはまだ分かりません。

『双竜自動車』の労働組合は総雇用を主張!

2021年04月25日、韓国メディア『毎日経済』に『双竜自動車』が役員の人数を30%削減するという記事が出ました。

2021年03月末時点の役員:33人

傾いた会社で役員が「33人」もいることがまず大きな驚きですが、これを「20人」ほどにするというのです。それがどうしたという話なのですが、これは『双竜自動車』労働組合に対するアピールである可能性が高いものと推測できます。

先にご紹介したとおり、労働組合側は労働者、その家族、納入部品メーカーなど総数20万人の生活に影響するとして「雇用は全て維持されること」という原則を掲げています。

労働組合としては当然の主張かもしれませんが、そもそもが赤字の会社ですから再生するにしても、人員をカットして構造調整を行わなければまたすぐにドボンになることが想像に難くありません。つまり、総雇用維持は事実上無理です。

今回の「役員数の30%カット」は労働組合に「役員もカットするので従業員もカットするよ」と姿勢を示したものであると考えられるのです。

しかし、役員の削減、人員調整は法定管理になってから行うことではありません。これまでの16四半期連続赤字の間になすべきことです。今になってそんなことを行うこと自体が、いかに『双竜自動車』に「経営」の規範がなかったかを示しています。

(吉田ハンチング@dcp)

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