2021年06月16日、アメリカ合衆国のFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)が臨時で設けられていた9カ国中央銀行との「ドル流動性スワップ」※の契約延長を公表しました。
『韓国銀行』も一安心です。
FRBは、世界的にドル不足が深刻になった2020年03月19日、常設されていたハードカレンシー保有国に加えて、9カ国の中央銀行とドル流動性スワップを締結しました。その中にドボン寸前だった『韓国銀行』も入っていました。
最初の契約期間は6カ月だったのですが、二度延長されました。コロナ禍からの回復がまだなっていないという判断です。
念のために付記しますが、この6カ月は利用したドルの返済期限ではありません。これはドル流動性スワップを利用できる契約そのものの期限です。この契約を利用して調達したドルの返済期限は(ケースによりますが)「8日」「84日」などです。
今回の延長で、ドル流動性スワップの契約は2021年12月31日までとなりました。利用限度額はこれまでと同様に「600億ドル」です。
『韓国銀行』も06月17日、契約延長のプレスリリースを以下のように出しました。
合衆国のドルの後ろ盾があるのは韓国にとって大変にありがたいことです。
ただし、ドル流動性スワップはあくまでもドボンを避けるための緊急用のもの。同価値のドルとウォンを交換し、満期がきたら利子を付けてドルを返さないといけません。
簡単にいえば短期的なドルの借金ですからあまりに巨額を利用すると満期が怖い、ということになります。「行きはよいよい、帰りは怖い」です。
※韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRBに従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(吉田ハンチング@dcp)