10月20日、サウジアラビアは、反政府的な言動を行っていた記者、ジャマル・カショジさんの死亡をやっと認めました。サウジ当局は、トルコ国内にあるサウジアラビア総領事館内で、口論と格闘があった結果、カショジさんが死亡した、という捜査結果を公表しました。ただし「意図的な殺害ではなかった」と主張しています。王室顧問、情報機関の高官を更迭し、サウジアラビア人18人を拘束。裁判を行って、関係者の責任を追及するとしています。
一方、自国で国際社会の注目を浴びる事件を起こされたトルコは、サウジアラビア総領事館に立ち入り捜査を実施し(複数人のDNAを回収したとしている)、カショジさんの遺体が遺棄されていないかインスタンブール近郊の捜査も行いました。
またトルコ警察は「10月02日にイスタンブールに到着したサウジラアビア人15人(全員男性)がこの殺害事件に関与している可能性がある」と公表しています。この15人全員の身元はすでに確認されており、「15人のほとんどが、カショジさんが総領事館に入る数時間前に自家用機でイスタンブールに到着。その日のうちに同じ飛行機でサウジアラビアの首都リヤドに向けて出発した」とのことです。
トルコ当局は、この怪しい動きをした男たちをサウジアラビアの政府職員・情報機関の人間と見ています。サウジアラビア自身が拘束したとする18人の名簿を付き合わせて確認する必要があるでしょう。
サウジアラビアとしてはサルマン皇太子が責任を負わされることのないよう早急な幕引きを行いたいでしょうが、アメリカ・イギリス・フランス・ドイツが揃ってサウジアラビアを批判していますので、拙速な対応をするとその影響は後々まで続きそうです。
10月15日、合衆国のトランプ大統領は「行きずりの殺し屋(rogue killers)の犯行ではないか?」と感想を述べましたが……なんで総領事館に殺し屋が通りかかるんだよ!
(柏ケミカル@dcp)