アメリカ合衆国が提供するモデルナ製ワクチン250万Shot分が、2021年06月20日(土)に無事台湾に到着しました
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』の名物編集チョ胡錫進さんが、これに対して大きな不満を表明した社説記事を寄稿しています。
以下に記事の一部を引用します。
土曜日にアメリカ合衆国から台湾に送られた250万人分のモデルナCOVID-19ワクチンは、台湾の当局を興奮させた。大きな声で感謝の意を表してもいる。
私は、アメリカ合衆国は台湾に2,500万人分のワクチンを送るべきだと思う。
なぜなら、250万回分のワクチンは、まだわずかな量だからだ。
特に、島(台湾のこと:筆者注)の人々がアストラゼネカ社のワクチンを接種した後、極端なケースが発生している現在では。
(後略)
合衆国はもっと送るべきだったといい、アストラゼネカ製のワクチンを送った日本をも巻き込んで批判しています。この記事で注目すべきは、編集チョの言い分が明らかにダブルスタンダードである点です。
まず、合衆国の支援を以下の用に「政治的な動機からきている」と断じています。
(前略)
合衆国政権の高官がロイターに語ったところによると、合衆国の台湾への支援には「政治的・経済的条件」は付いていないという。また、同高官は中国を批判した。このことは、今回のアメリカのワクチンが、実際には「政治的」援助であることを示している。
(後略)
中国を批判するから政治的な動機といっていまう。面白いのは次のくだりです。
(前略)
しかし、大陸の台湾に対するワクチン支援政策は、まさに人道的なものである。『Shanghai Fosun Pharmaceutical Group』の姿勢は、人道主義とビジネスルールを組み合わせたもので、政治は関係ない。
(後略)
合衆国を批判しながら行う支援は政治的なものではないのでしょうか? 胡錫進さんのコラムは毎回必見の内容です。読者の皆さまもぜひお時間があるときに『Global Times』の紙面を見てみてください。立場が変わるとこういう見方になるのだなぁ、ということが理解できるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)