韓国政府は失業率などのデータから、雇用情勢は回復している、またアルバイトレベルの仕事を作って政府が雇用を増やしていると自画自賛しています。
しかし、失業給付(日本でいういわゆる失業保険)は毎月1兆ウォン(約930億円)を超えたまま下がりませんし、主に雇用が増えているのは60歳以上ではないか、というデータもあります。
先に『韓国経済研究院』のジョ室長の分析をご紹介しましたが、重要なのは「良質な雇用を増やすこと」です。
ところが、韓国政府が大企業を目の敵にして締め付け、良質な雇用を増やすのとは真逆の政策を取ってきました。
雇用が回復などしていないことを示すリポートが『韓国経済研究院』から出ています。
上場企業が従業員数を減少させている
『韓国経済研究院』は、2018〜2021年についてKOSPI・KOSDAQに上場している1,816の企業の従業員数について調査を行いました。以下がその結果です。
KOSPI上場の686社中:333社が人員減少(48.4%)
KOSDAQ上場の1,128社中:526社が人員減少(46.6%)
上場1,815社中:859社が人員減少(47.3%)⇒参照・引用元:『全国経済人連合会』「今年の上半期、上場企業の半分(47.3%)従業員数の減少- 2018〜2021年上半期基準上場企業の従業員規模の分析」
少なくとも上場する企業ですから社会的な信用もある大手の会社です。つまり「良質な雇用」を生み出すための源泉ともいえます。しかし、上場企業1,815社中の47.3%で従業員数を減らしているのです。
また、次のデータをご覧ください。
上場企業における「上半期ベースの従業員数の推移」です。
韓国上場企業の従業員数
2019年上半期:148.6万人
2020年上半期:145.3万人(3.3%減少)
2021年上半期:144.1万人(1.2%減少)※データ引用元は同上
ご覧のとおり、コロナ禍もあって上場企業は従業員数を毎年減らし続けています。
つまり、韓国では雇用情勢はちっとも良くはなっていません。なにより良質な雇用を生み出すための上場企業で従業員数が減っているのですから。
(吉田ハンチング@dcp)