韓国の次期大統領選挙本選まであと5カ月。韓国野党『国民の力』の有力大統領候補の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検察総長が、世にもくだらない話で与党の意を汲んだメディアから総攻撃を受けています。
「尹候補が手のひらに『王』の字を書いていたのは呪術」という報道が出た際にはあまりのあほらしさにスルーしましたが、今回は尹さんの愛犬トリちゃんも巻き添えになっており……。
以下が韓国メディアが取り上げて騒いだ写真です。
⇒参照・引用元:『Instagram』「tory.stagram」(現在はつながりません)
日本人が見ると「この写真の何が問題なの?」と思われるかもしれませんが、面倒くさい話があるのです。
ことの起こりは、そもそも尹さんが全斗煥(チョン・ドファン)大統領を擁護した発言を行ったと騒がれたことです。
尹さんは、以下のように発言しました。
「全斗煥元大統領は、12・12軍事クーデターと5・18民主化運動(いわゆる光州事件のこと:筆者注)を除けば、政治はよく行った。湖南でもそのように話す方はかなりいる」
日本人にとってはこれもなぜ問題になるのか恐らくよく分からないでしょうが、現在の韓国の政治状況では全大統領は「否定されるべき存在」で、業績を褒めることはできません。
特に現政権を代表とする左派からすれば、学生運動を弾圧した大統領の政治を、たとえ「それ以外は」であってもよく行ったなどと言うことを許されないことなのです。
案の定、与党『共に民主党』のみならず他政党、メディアまた同党内からも頻々と非難の声が上がり、そのため尹さんは(一応の)謝罪・釈明を余儀なくされました。
謝罪・釈明を行った当日に尹さんがSNSに上げたのが上掲の写真ですが、これにまたクレームがつきました。
愛犬のトリちゃんにリンゴをあげている(見せている?)写真なのですが、朝鮮語ではリンゴは「사과(サグァ)」です。実は、謝罪も「사과(サグァ)」なのです。
↑Google翻訳で確認。「リンゴ」と「謝罪」は朝鮮語では同じ「sagwa」になる
そのため、「謝罪はイヌに食わせるということなのか」「まじめに謝罪しろ」――などと激昂する人が出現したというわけです。ネットによくいる正義警察官です。
「パパは謝罪させられちゃったよ」などと愛犬トリちゃんにリンゴを見せて、自虐的ユーモアで上げた写真だったかもしれないのですが、炎上したために、尹さんはこの写真を取り下げた模様です。
そもそも光州事件について批判するのは許さない!とする態度がおかしいですし、リンゴの写真の件もあほしい話です。何がなんでも尹さんを大統領選挙からひきずり下ろしたいのかもしれませんが、よくこんなことを必死に行う元気があるものです。
韓国の大統領選挙こそ「イカゲーム」なのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)