またしても『全国経済人連合会』のリポートです。何度もご紹介していますが、韓国の『全国経済人連合会』という組織は、傘下に『韓国経済研究院』(略称『KERI』)というシンクタンクを持ち、非常に興味深いリポートを出してくれます。
しかし、現在の文在寅政権は大企業を目の敵にしているため、せっかく示唆に富んだ有用なリポートを出してもほぼ目もくれません。だいたいリポートが警告する方向へと走っているためです。
2021年10月21日、ついに『全国経済人連合会』も耐えられなくなったのでしょう、例の「2050カーボンニュートラル」シナリオについて「全然ダメ」という主旨のリポートを出しました。
専門家116人にアンケートした結果が…だからできないってば…
Money1ではもう何度だってご紹介しますが、韓国のエネルギーインフラ政策はそもそもが支離滅裂な上に、先日公表したシナリオは本当に唖然とする内容でした。
『全国経済人連合会』のリポートは韓国政府のシナリオを受けて、その実現可能性などについて専門家116人にアンケート調査を実施、その結果をまとめたものです。
このリポートの白眉は、韓国政府のシナリオにある炭素削減技術を実現可能なのか?と聞いた部分です。
以下の結果をご覧ください。
炭素削減技術の2030年の商用化
「できない」と回答した率
鉄鋼:75.9%
石油化学/石油:75.0%
セメント:72.4%
CCUS※:69.8%
水素発電:65.5%
アンモニア発電:74.2%※CCUSは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略で二酸化炭素回収・貯留」のこと/上掲はアンケートの回答「非常に否定的」「やや否定的」を足したものです
韓国政府のシナリオに必要な技術の商用化が上掲のとおり、専門家によってそもそも2030年にはできない、と見られているのです。
つまり、韓国政府のシナリオはやはり実現不可能です。
(吉田ハンチング@dcp)