韓国の通貨当局は、異常な速度で増加した家計負債を絞るために銀行に融資を制限するよう働きかけています。また、『韓国銀行』が基準金利を上げたため、融資の金利が上昇しています。
つまり、韓国では銀行からお金を借りにくくなっているのです。
特に注目すべきは不動産ローンの金利です。韓国では不動産が上昇を続けてきましたが、これは韓国史上最低の基準金利、それに伴う融資金利の低下によるところが大です。
それでなくても韓国の人は不動産投資が好きなのですが、ここに低金利でお金を借りられる環境が出現したわけで、じゃぶじゃぶのお金が不動産に向かうのは至極当然のなりゆきです。
しかし、これが絞られようとしています。あまり報じられていませんが、住宅ローン金利はわずかの期間に静かに上昇を続けています。以下は韓国5大銀行の一つ『国民銀行』で提供している住宅ローン金利です。
2021年『国民銀行』住宅ローン金利
03月末:2.74~4.24%
06月末:2.94~4.44%
09月末:3.22~4.72%
10月28日:3.88~5.08%
高値では「5.08%」まできました。
『銀行連合会』が公表している「COFIX」(資金調達費用指数)は2021年09月末時点で「1.16%」となりました。
「COFIX」というのは、銀行の貸し出し金利の基準となる指数です。
2020年12月末時点でCOFIXは「0.9%」でした。
COFIXが「0.26%」上昇する間に住宅ローンの金利は「約1.0%」上がっているので、貸し出し金利は指数の4倍上がることになるわけです。
11月に『韓国銀行』が金利を上げる予定ですので、その実施によって住宅ローン金利も上がります。
住宅ローンは借りにくくなるわけなので、不動産市場に流入する資金が少なくなります。そのため、これは膨らんだ資産価格の調整を早めることになる動きです。
最もマズイのは急落です。もっとも、不動産価格の調整局面は必ずきますが、株式市場での下落の方が先でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)