中国『恒大集団』債券で237億ドル損失、CDSで1,580億ドルが吹き飛ぶ――という話

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2021年11月17日、「中国の『恒大集団』はすでにデフォルトしている。実際に投資を行った当社が利払いを受けていないから」と主張するドイツのリサーチ会社『DMSA』から新しいプレスリリースが出ました。

簡単にいえば、『恒大集団』は債券・投資ファンドに「100億ドル」(約1兆1,427億円)超の損失をもたらしており、実際に『恒大集団』がデフォルトすると、債券で237億ドル(約2兆7,082億円)、CDSによって「1,580億ドル」(約18兆547億円)の損失が発生するだろう、という話です。

先にご紹介したとおり、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)というのは、保険のような商品で、デフォルトリスクを肩代わりしてくれます。

『恒大集団』の債券に資金を投じた人は、デフォルトに備えてCDSを購入するわけですが、CDSの売り手もいるわけです。CDSは、デフォルトさえなければ「保険料丸儲け」と同じで大変に利益になります。これで荒稼ぎしたのがあの『ドイツ銀行』といわれています。

しかし、実際にデフォルトが起こったら?

売り手はその分の損失を肩代わりしなければなりません。しかもです。『恒大集団』の債券を基にして金融商品が組成され、それに資金を投じている人もいるわけです。当然そこにも(よせばいいのに)CDSの売り手が登場します。

つまり、『恒大集団』の債券はそれ単品、発行された金額だけで済まず、債券を元にした金融商品が作られ何倍、何十倍にも投入資金が膨らんでいます。当然それを保証するというCDSがまた膨らんでいます。

で、実際に『恒大集団』がデフォルトを起こしたら、CDSの売り手はどうなるでしょうか? 支えきれるでしょうか? 無理でしょう。『DMSA』のプレスリリースでは、このCDSによる被害規模を『ゴールドマン・サックス』の調査を引いて「1,580億ドル」(約18兆547億円)と読んでいるのです。

1,580億ドルといえば、韓国が保有しているアメリカ合衆国債の金額より280億ドル(約3兆1,996億円)も多いのです(2021年09月時点)。

本当にこれだけの損害が出れば、世界の金融システムも無事に済むとは思えません。ですから、『FRB』も最近では懸念を表明しているのです。

<<以下は『DMSA』のプレスリリースを比類なき翻訳エンジン『DeepL』で訳したもの>>

⇒参照・引用元:『DMSA』公式サイト「EVERGRANDE 10 Milliarden US-Dollar Verluste bei Asia-Fonds」

『DMSA』については、あなたたちが準備しているとした「裁判所に対する『恒大集団』のデフォルト申請」はどうなったのか、その進展について聞きたいところですが、とりあえず『DMSA』からこのようなプレスリリースが出ましたのでご紹介しました。

(吉田ハンチング@dcp)

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