事実上破綻して法定管理下にある韓国『双竜自動車』の件です。
とりあえず『双竜自動車』は再建の方向で走り出しているのですが……。
この期に及んで「155億ウォン」値切る
破綻した『双竜自動車』の優先売却先には、韓国の電気バスメーカー『エジソン・モータース』を中心とするコンソーシアムが選定されています。
↑『エジソン・モータース』の電気バス。PHOTO(C)『エジソン・モータース』
しかし、ここから先に進みません。
この期に及んで『エジソン・モータース』は『双竜自動車』の公的債務(未払の給与や税金など)の資料に不備があったとして、買収金額を値切っています。
先に本件を紹介した記事ではその金額が不明だったのですが、韓国メディアに報道が出ました。
『エジソン・モータース』は、買収入札価格「3,100億ウォン」(約297.6
億円)の5%に当たる「155億ウォン」(約14.9億円)を削ってほしいと(『双竜自動車』の売却に当たる)主幹事会社『EY会計法人』に要請した、とのこと。
で、この要請に対して『EY会計法人』は無反応で『エジソン・モータース』側に返事をしていない状態。両者は平行線の模様です。
この買収金額の調整は、2021年12月09日に完了する予定だったのですが、13日に延期。それがまた延期され決着がついておりません。
再生事業計画に債権団の賛成は得られるのか?
また、同社の『双竜自動車』再生・事業計画については債権団の主幹である国策銀行『産業銀行』が疑問を呈しています。
再建計画は、債権者の2/3が賛成しないと認められません。最も発言力のあるのは『産業銀行』で、その李東杰(イ・ドンゴル)会長が「フン!」と鼻息を鳴らすのが聞こえそうな応対をしていますので(以下記事)、かなり怪しくなってきたわけです。
今回の買収価格を値切っている件についても恐らく李会長は大変苦々しく思っていると思われます。
李会長は先に、
「『エジソン・モータース』と『双竜自動車』の発展戦略を第三者の公的な信用のある機関が検証することが必要だ」
「電気自動車市場はグローバル完成車メーカーが存亡を懸けて競争する市場だ。『エジソン・モータース』は技術力と事業計画に自信を見せているが、市場では懸念を持たれている状況だ」
⇒参照・引用元:『毎日経済』「『産業銀行』は「『エジソン・モータース』が資金の支援を臨むなら第三者検証を受けなければならない」
と述べて、『エジソン・モータース』の事業計画に対してあからさまに不信感を表明しています。
Money1でもかれこれ3年近く『双竜自動車』のどたばたに付き合って参りました。もう最後まで付き合うしかありませんが、まだ先が見えません。曇りっぱなしでちっとも晴れないというのはスゴいことです。
また動きがありましたらご紹介します。
(高橋モータース@dcp)