政権末期になった韓国の文在寅大統領がUAE・サウジアラビア・エジプトの中東3カ国を巡る外遊に出かけています。
UAEでは最も大事な首脳会談はできませんでしたが、UAEを出国して無事に2カ国目のサウジアラビアに到着。
こちらではドタキャンされずに、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子に会えました。
この方は初代国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードさんのお孫さんで、王位の継承者であり、第一首相です。
皇太子は2018年にトルコのサウジアラビア大使館で、反体制的な記者ジャマル・カショジさんが殺害された事件についての関与で世界的に物議を醸したことがあります。
Money1でもご紹介したことがありますが、当時のトランプ大統領は「殺し屋がたまたま通りかかったんじゃないか」旨の無茶苦茶な擁護発言をしていました。
それはともかく、以下に青瓦台・大統領府のプレスリリースの一部を引用します。
(前略)
モハメド皇太子は「韓国とサウジはデジタル、技術、経済分野で協力できるとし、サウジは伝統的なエネルギーだけでなく太陽光など再生エネルギーやレアメタルなども豊富に保有しており、ブルー水素を多量に生産しているだけに韓国企業と一緒に水素分野の協力が強化されることを願う」と述べました。文大統領は「韓国の原発技術は世界最高水準の経済性と安全性を持っており、UAEバラカ原発事業を商業運転まで成功裏に遂行したことがあり、サウジ原発事業の最適なパートナーになると確信している」と述べた。
首脳会談を終えた後、文大統領と公式執行員は、モハメド・ビン・サルマン皇太子が山間宮で主催した公式昼食会に出席しました。
昼食会でモハメド皇太子は、サウジで韓国ドラマとKポップの人気が高く、韓国文化を楽しみながら韓国語を勉強する人が多いと語った。
それに応え、文大統領は韓国でも中東文化が広がっており、アラビア語が修能科目である点を紹介しました。
(後略)
⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「サウジ皇太子との公式会談と昼食 2022-01-18」
皇太子は水素生産について触れていますが、文大統領はさらっと「原発の売り込み」を行っています。
自国では「脱原発」を進めてきたくせに他国では原発を売りこむダブルスタンダードがまた出ました。
もう何度だって言いますが、この文在寅という人は2017年06月に「原発は安全でなく、安くもなく、環境に良いものでもない」と述べたことがあるのです。
二枚舌もいいところです。
また、「UAEバラカ原発事業を商業運転まで成功裏に遂行した」と述べていますが、発注されたバラカ原発4基全てが商業運手を開始したわけではありません。
先にご紹介したとおり、2021年09月時点で以下のようなステータスでしたから。
↑UAEのアブダビで会合が行われ実際に韓国代表はバラカ原発を訪問※バラカ原発(計4基)事業進捗
●1号機:2017年10月に建設完了、21年04月に商業運転開始後の電力送出中
●2号機:2019年12月に建設完了、22年03月に商業運転開始目標
●3号機:2021年07月末基準で95.8%建設完了、21年09月に建設完了の目標
●4号機:2021年07月末基準で91.4%建設完了
2022年03月に2号機が商業運転を開始する予定なのです。4基全てが無事に商業運転を開始してから「成功」と述べるべきでしょう。
「飛んでから言え!」と批判されるのはこういうところです。
また、皇太子に対するリップサービスでしょうが「韓国でも中東文化が広がっており」などと述べていますが、「本当に?」です。
(吉田ハンチング@dcp)