呆れてものも言えない――そんな韓国・文在寅大統領の言葉が公表されましたのでご紹介します。
これまで脱原発を推進し、原子力発電所を目の敵にして建設停止、整備の長期化などを行ってきたくせに「この発言なのか」……です。
この期に及んで原発を推進!
2022年02月25日に行われた「グローバルエネルギーサプライチェーン懸案点検会議」での韓国・文在寅大統領の発言を青瓦台・大統領府プレスリリースから以下に引用します。
(前略)
文大統領は「エネルギー支援として原発が持つメリットにもかかわらず、我が国の場合、原発密集度が世界最高であり、特定地域に密集しており、事故が起きればその被害を軽減するのが難しいため、エネルギーミックス転換は避けられない」と強調し、「韓国政府のエネルギー転換政策は、新規原発建設の中断、寿命が尽きた老後原発の寿命延長禁止などを2084年まで長期にわたって段階的に推進するもの」と述べました。
文大統領は「原発が持続運営される今後60年余りの間は原発を主力基底電源として十分活用しなければならない」とし、「ただ、適切な稼働率を維持しながら原発の安全性確保に万全を期してほしい」と指示しました。
一方、文大統領は「新ハヌル1、2号機と新古里5、6号機は浦項の地震、空隙の発生、国内自立技術の適用などによって建設が遅れたが、これまで安全性を高めるための基準強化と先制的投資が十分に行われただけに、できれば早い時間内に段階的正常稼働ができるように点検してほしい」と注文しました。
(中略)
文大統領は徐々に原発を削減しながら原発輸出を行うことに関連して「各国は自国の事情に応じてエネルギーミックスを選択しており、原発が必要な国家が韓国の技術と経験を求めて購入する。韓国原発の輸入を希望しているので輸出するのは当たり前だ」と話しました。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 大統領府』公式サイト「グローバルエネルギーサプライチェーン懸案点検会議関連の朴ギョン美広報担当ブリーフィング」
いかがでしょうか。この言い分は。
「新ハヌル1、2号機と新古里5、6号機」を「できれば早い時間内に段階的正常稼働ができるように点検してほしい」などと述べているのには呆れ果てます。
整備期間をできるだけ引き伸ばす措置を取ってきたのは文政権です。Money1では先にもご紹介したとおり、文政権になってから原発の整備期間が異様に長くなりました。できるだけ運転を止めて「脱原発」を実現するためです。
「まだ動かせる」という提言があった古里1号機を廃炉にしたのも文大統領のひと声でした。古里1号機の廃炉にはざっくり6,000億ウォンかかると推算されています。この負担を鶴の一声で決めたのです。
しかも廃炉決定が自分のひと声で決まったことを隠蔽するため、公務員が資料の廃棄工作を行いました。この件で公務員3名が起訴されています。
よその国になら原発建設してもいい
文大統領は2017年06月に「原発は安全でなく、安くもなく、環境に良いものでもない」と述べたのに、輸出には一生懸命でした。
先に最後の外遊に出かけた際にも、サウジアラビアに原発を売りこんでいます(以下過去記事参照)。
「安全でなく、安くもなく、環境に良いものでもない物」を輸出するのはいかがなものか――とかねてから批判があったことに対して、このプレスリリースによれば「輸出するのは当たり前だ」と反論しています。
自分の国に建設するのはダメでも外国にならいいというのです。「当たり前だ」と。この人の倫理観はいったいどうなっているのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)