ロシアがまたしても「世界の無法者国家」への階段を一歩上がりました。
2022年03月11日、ロシア議会に「ロシアを離れた外国企業の資産を国有化するための法案」が提出され、プーチン大統領もこれを承認しました。
グローバル企業の撤退を防ぎ、国有化の基礎を築くための法案です。無茶苦茶もいいところです。
『RadioFreeEurope』の報道によれば「国営の『Vnesheconombank』と国の輸出保証機関が、ロシア市場を独自に離れた外国企業の資産を差し押さえる権利を有する」
以下に『RadioFreeEurope』記事の一部を引用します。
(前略)
この法案の下では、ロシアは、外国企業の経営者が事業を運営することを「事実上停止」した場合、最大3カ月間、外国企業を引き継ぐ権利を有する。法案はまた、外国企業が「根拠のない」清算または破産につながる可能性のある行動をとった場合、政府はそれらを引き継ぐために最大6カ月の猶予があると述べています。
新会社の株式は取引のために提供され、旧会社は清算されます。新しい会社を所有することに誰も興味がなかったら、それらの企業は国有化されるでしょう、
(後略)
「国有化されるでしょう」じゃありませんよ。株式も差し押さえられて盗られてしまうのです。
上掲は、本件を報じたYouTubeの『ANNnewsCH』ですが、プーチン大統領は「撤退する企業には断固たる措置をとるべきだ」などと述べています。また、閣僚との会議で「外国企業の撤退によってロシアがダメージを受けることは許されない」と力説したのこと。
身から出た錆なのに、損をするのには我慢ならないという無茶苦茶な態度です。
この法律によって「撤退した外国企業の工場などの資産は国有化する」道筋をつけてしまいました。
ちなみに、『RadioFreeEurope』の報道によれば、「ロシア市場を去り国有化される可能性のある約60社の外国企業のリスト」はすでに政府と検察庁に送られっている、とのこと。
また、リストには『フォルクスワーゲン』『アップル』『IKEA』『マイクロソフト』『IBM』『シェル』『マクドナルド』『ポルシェ』『H&M』などが含まれている、とのこと。
こういうのを火事場泥棒といいます。
プーチン大統領が立法府も押さえ、好き勝手な法案を出させては承認しています。誰も止められませんので、まさに無法者の独裁者です。
ロシアは危険地帯です。何をされるか分からないので近寄ってはなりません。
(吉田ハンチング@dcp)