破綻して法定管理下に入り、やっぱり精算かという崖っぷちの韓国『双竜自動車』ですが、『Ssangbangwool』(SBW)グループが新たな買収先として期待感が高まっています。
『SBW』は『イースター航空』の買収では、手を上げておいて途中で下りましたので、『双竜自動車』の方も「これで再生決定だ」などと安易に信用しない方がいいと思われますが……。
一方――優先買収先に指定されたにもかかわらず、契約金の残金「2,743億ウォン」を期日までに支払わず、『双竜自動車』に買収契約を破棄された『エジソン・モータース』。
『エジソン・モータース』が出した契約の手付金ともいえる「305億ウォン」は没収となりました。
この契約破棄は『ソウル回生裁判所』(破綻・倒産案件ばかり扱う地方裁判所)によって正式に認められています。
『エジソン・モータース』が他社による買収阻止に動く
しかし、2022年04月05日、『エジソン・モータース』の子会社『エジソンEV』が、『エジソン・モータース』による再生計画を排除したことに対して不服申し立てを行いました。
ちなみに、この『エジソンEV』という会社は先にご紹介したとおり、決算書に対して監査法人からの意見表明拒絶に遭い、上場廃止寸前です。
また、2022年03月29日には『エジソン・モータース』は、ソウル地方裁判所に、「『双竜自動車』への投資契約解除」の効力を差し止めるように仮処分申請を出しました。
この仮処分申請には、「『エジソン・モータース』が出した305億ウォンを使わせないように」という要求も入っています。
自分が期日までに契約金の残金を納付しなかったくせにいい気なものです。
また、韓国メディアによれば『エジソン・モータース』は「新たなコンソーシアムを組んで買収を再推進する」と意気込んでいるとのこと。
ここまでくると本当にうんざりしますが、たとえ新たなコンソーシアムを組んだとしても、債権団が『エジソン・モータース』の再建計画について首肯するとは考えられません。
実際、取引先の債権団(納品した部品などの未払い分を回収しなければならない)は同社計画について否決しています。
ついでにいえば、『双竜自動車』労働組合も否決しました。
また、債権団の主幹である国策銀行『産業銀行』が『エジソン・モータース』に対して、根深い疑念を抱いていますので、とても先に進むとは思えません。
悪い絵図ではなかったのに……
そもそも、電気自動車を製造していない『双竜自動車』と、曲がりなりにも電気バスの製造・販売を行っている『エジソン・モータース』が一緒になる――というのは、決して悪い絵図ではありませんでした。
『エジソン・モータース』の会長が『産業銀行』李東杰(イ・ドンゴル)会長を怒らせたのが失敗した理由の一つです。
LBO(Leveraged Buy-Out(レバレッジ・バイアウト)の略)でなんとかしたいなら、まず李東杰(イ・ドンゴル)会長に頭を下げて協力を仰ぐべきでした。
また、少なくとも3,000億ウォン程度は、なんとかして集めて身銭を切る姿勢を見せるべきでした。
「お金がないのは首もないのと同じと言って……」(西原理恵子先生の至言)ですから、資金不足を露呈したことがなによりもいけませんが。
 
 
それにしても片付かない『双竜自動車』。また動きがありましたら、随時ご紹介するようにいたします。
(吉田ハンチング@dcp)