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割安株の見分け方 その21「MACD」その6「ディバージェンス」

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株式を売買するときの指標(INDEX)のひとつ「MACD」の続きです。一般的なMACDの使用法は前回の記事のとおりなのですが、MACDをより良く使い、株式の購入場面で失敗しないようにするためには「divergence(ディバージェンス)」について知っておかないといけません。

※「divergence」はアペルの著書などを和訳したものでは「ダイバージェンス」とカタカナで書かれていることが多いのですが、発音記号は「dɪvˈɚːdʒəns」ですので、ここでは「ディバージェンス」と表記しています。

divergenceは、MACD(Moving Average Convergence – Divergence)の「D」で、「発散」という意味ですが、考案者アペルはディバージェンス(以下、カタカナ表記します)について特に注意を促しています。

ここでいうディバージェンスは、「実際の株価の動きにMACDの動きが即していない場合」の「発散」です。

例えば、次のような場合のMACDによるサインです。

①株価は上昇傾向にあるのに、MACDは逆の(つまり下落の)方向への動きをしている

②株価が下落傾向にあるのに、MACDは逆の(つまり上昇の)方向への動きをしている

アペルは、

①の場合は、それから先に株価が下落するトレンドのサイン
②の場合は、それから先に株価が上昇するトレンドのサイン

と指摘しています。

アペルが「注意せよ!」と述べているディバージェンスを実際のチャートで確認してみましょう。

■①の例
これは前回の記事でも使用した任天堂(銘柄:7964)の2016年10月14日-2017年1月13日のチャートです。※緑の指数平滑移動平均(EMA)線は50日。

macd_nintendo_divergence

「①のエリア」を見てください。11月24日に「2万8,450円」の高値を付けた後、12月12日には「3万180円」の高値を更新し、移動平均は上昇トレンドを描いていますが、MACDは第二のピークを新たな頂点とせず、実際の株価上昇とは逆の、ディバージェンスを記録しています。アペルの指摘どおり、その後株価がダダーッと下がっていったのです。

■②の例
以下はインフォメーション・ディベロプメント(銘柄:4709)の2016年7月15日-2017年1月13日のチャートです。※緑の指数平滑移動平均(EMA)線は50日。

macd_info_divergence

「②のエリア」を見てください。移動平均は下がり傾向を示し、7月27日に株価は高値の「653円」をつけた後、下がって低迷を続け、9月16日には高値でも「620円」という、トレンドは下落傾向と見えるのに、MACDは上昇を描き、株価の下落とは逆の、ディバージェンスを記録しています。アペルの指摘どおり、その後株価は段々と力強く右肩上がりとなっていくのです。

このように、MACDとシグナルのクロスポイントだけではなく、ディバージェンスに着目することで先のトレンドをより適格に捉えることができるのです。

アペル自身は著作の中でこのように言っています。

MACDの方向と株価トレンドの方向のダイバージェンスを伴った売買シグナルは、こうしたダイバージェンスを伴わない売買シグナルよりも重要性が高い」(『アペル流テクニカル売買のコツ』パンローリング社刊・原題『Technical Analysis:Power Tools for Active Investors』P.264より引用/読点「、」は筆者が入れました)

アペルの言うとおり、クロスポイントにだけ注目した売買よりも、ディバージェンスをも慎重に確認するのが私たちのような初心者トレーダーにとっては大事なことでしょう。

(高橋モータース@dcp)

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