01月13日、フィデリティ投信において記者を集めたラウンドテーブルが行われました。登壇したのは同社の運用本部長 最高投資責任者の丸山隆志取締役です。このラウンドテーブルは「2017年 日本株市場の展望と注目点 ~米トランプ次期政権の非予見性がもたらす投資機会~」と題して行われました。
まずグローバル経済においては「景気回復期待が高まっていること」として、フィデリティ投信では成長予測スコアを過去3年において最も高いレベルであることを示しました。米雇用時計も良い方向で高かったことなど、12月、1月の経済的指標で良いサプライズが続いていることもその予測を補強したようです。
「余剰生産能力の縮小」「原油価格の安定」「成長とインフレにより長期金利上昇」といった要素も景気回復のシグナルとして挙げられました。Money1の記事でも取り上げましたが、連邦公開市場委員会(FOMC)がフェデラル・ファンド(FFという略称で呼びます)金利を引き上げ、0.50%-0.75%を目標とすることを決定しました。2017年はより早く金利が上昇していくという予測が出ています。ドイツ、イギリスでも長期金利の反転上昇の兆しがあります。
景気循環における状況の好転が見て取れるとのことで、丸山取締役の話はひとまずほっとできるものでした。ただし、世界経済においては中国の経済破綻が懸念されるとのこと。破綻、ハードランディングが現実となると世界的な危機かもしれないが、「ハードランディングは予想しにくい」と話していらっしゃいました。
日本において懸念されるのは「アメリカなどが長期金利を上昇させる中で、今のままのイールドカーブコントロールが続くとなると困ったことになります。さすがにそんなことはないと思いますが……」とのことでした。
日本は長期金利をほいほい上げられる状況ではないので、日本だけが長期金利を上昇させられないハメになると、これはキャピタルフライトが起こります。当然、日本の株式市場に投資する意味なんかなくなるわけです。金利の高い米市場にお金が向かうのを誰も止められないことでしょう。さて、日本の金融政策はどうなるのでしょうか!? 我が国のことながら非常に心配ですね。
(高橋モータース@dcp)