2022年10月17日、アメリカ合衆国財務省から2022年08月時点での「合衆国公債の主要ホルダーとその金額」のデータが公表されましたので、韓国の保有金額を確認してみます。
⇒データ出典:『アメリカ合衆国 財務省』「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」
08月時点での合衆国公債の保有高は「1,180億ドル」となっています。前月からなんと「57億ドル」も増えました。
直近1年間の推移をグラフにすると以下のようになります。
「2021年11月:1,332億ドル」からどんどん減って、2022年06月・07月の「1,123億ドル」で下げ止まって、08月で増加に転じました。
『韓国銀行』の公表によれば、08月時点での外貨準備高は以下のようになっていました。
2022年08月
外貨準備高:4,364億ドル(約61兆2,793億円)※
(前月比:-22億ドル)<<内訳>>
⇒Securities:3,949億ドル(約55兆4,519億円)
(証券類)
前月比:+31億ドル⇒Deposits:179億ドル(約2兆5,135億円)
(預金)
前月比:-53億ドルSDRs、IMFリザーブポジション、金は省略します。
※円換算は2022年09月05日「1ドル=140.42円」のレートで算出
ご注目いただきたいのは、Securities(証券類)です。「+31億ドル」としていますが、上記の合衆国財務省のデータによると、合衆国公債は「57億ドル」増えていますので、差し引き26億ドルが合いません。
合衆国公債以外の謎のSecurities(証券類)を26億ドル売却したと見られます。
一方で現金たるDeposits(預金)は53億ドルも減少しています。謎のSecurities(証券類)売却して得たと思われる26億ドルと合わせて89億ドル。
この89億ドルのうち、57億ドルは合衆国公債にならないといけないので、差し引き22億ドルがどこかへ行ったことになります。
22億ドルはなぜなくなったのでしょう。
『韓国銀行』は08月の外貨準備高の増減については、
ㅇ외화자산 운용수익, 금융기관 외화예수금 증가 등에도 불구하고 기타통화 외화자산의 미달러 환산액이 감소*한 데 기인
ㅇ外貨資産の運用収益、金融機関の外貨預金の増加などにもかかわらず、その他の通貨建て外貨資産のドル換算額が減少したことによる
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2022年8月末の為替保有額」
と説明していました。「外貨資産の運用収益、金融機関の外貨預金の増加」があったにもかかわらず、22億ドルも減少しているのです。ということは、「その他の通貨建て外貨資産のドル換算額が減少」したのは、22億ドルどころではなかったことになります。
『韓国銀行』は「市場安定措置による」(要は為替介入)との説明を入れていませんが、恐らくウォン安阻止(ドル売りウォン買い)でもかなりのドルを溶かしたはずです。
(柏ケミカル@dcp)