輸出でもっている国なのに、2022年10月、韓国の輸出が大きく崩れました。金額などは以下の記事でご紹介していますので、今回は中身を見てみます。
15大輸出品目のうち11品目が前期比でマイナス!
11月01日、韓国の産業通商資源部が出したプレスリリースの中の「15大輸出品目」の10月の結果です。
15大輸出品目の中の「11品目」で。対前年同期比の増減がマイナスです。
対前年同期比でプラスになったのは、
石油製品:+7.6%
自動車部品:+3.2%
二次電池:+16.7%
の4品目だけです。
半導体の100億ドル割れは18カ月ぶり!
特に大きくマイナスになったのは、以下の7品目。
石油化学:-25.5%
鉄鋼:-20.8%
バイオヘルス:-18.7%
コンピューター:-37.1%
繊維:-19.1%
家電:-22.3%
特に痛いのは、最も稼げる半導体。半導体の当月の輸出金額は「92.3億ドル」にとどまっています。
実は、半導体の輸出が100億ドルを割ったのは18カ月ぶりのことです。
世界景気は悪化していますから、韓国の輸出が停滞しても当然ですが、15大輸出品目の73%が対前年同期割れというのは堪える結果です。
ものスゴイ「右肩下がりグラフ」
「輸出金額の対前年同期比での増減」の推移を見てみると、以下のようになります。
これまで韓国政府は「輸出は増加しているから大丈夫」でした。確かに対前年同期比の増減は「+」で回ってきました。前年同期比でプラスということは、輸出は前年より増えているわけです。
しかし、そのプラスの大きさが上掲のとおり、ずんずん右肩下がりで、2022年06月には「5.3%」と一桁まで墜落。そこからさらに下がって、ついに「10月:-5.7%」とマイナスに転じました。
これで輸入金額も減ってくれれば、貿易収支はなんとかなるのですが、そうは問屋が卸さないのです。
以下をご覧ください。
同様に「輸入金額の対前年同期比での増減」の推移です。輸入金額の確かに増加幅を小さくしているのですが、いまだに「+」で推移しています。
――というわけで、主力輸出品目の73%が対前年同期比で輸出金額を減らし、輸出が増加しなくなっているのです。で、輸入の方はいまだ増加しています。
ですから、貿易収支が黒字拡大の方向に向かうはずはなかったのです。
韓国政府が「輸出を増やすんだー!」とジタバタしているのも無理はありません。
(吉田ハンチング@dcp)