世界的にインフレ退治のため金融緊縮方向トレンドなのですが、緊縮などどこ吹く風と金融緩和でお金じゃぶじゃぶな国があります。
中国です※。不動産市場が「崩れ行く崖」的なことになり、また内需も低迷していますので、お金をまかないといけない状況なのです。
ただ、基本的にお金をまくとインフレを亢進する方向になります。
それでも金融緩和を貫けるのは、「高インフレで人民の生活がどうなろうが知ったことか」という態度をとっても無問題の中国共産党だから――といえなくもありません。
2023年02月10日、『中国人民銀行』が「2023年1月金融统计数据报告」を公表したのですが、これがかなりのものです。
2023年01月
人民元新規融資:4兆9,000億元家計融資
短期融資: 341億元
長期融資:2,231億元
小計:2,572億元企業融資
短期融資:1兆5,100億元
長期融資:3兆5,000億元
手形貸付:-4,127億元
非銀行貸付:-585億元
小計:4兆6,800億元⇒参照・引用元:『中国人民銀行』公式サイト「2023年1月金融统计数据报告」
当月の注目は、なんといっても融資が「4.9兆元」も増加している点です。これはむちゃくちゃな増え方で、前月が「1.4兆元」でしたから、一気に「3.5兆元」も増えました。
この「4.9兆元」というのは、月次で過去最高の増加額です。それだけお金をまかないといけない状況に陥っているのです(これまでの最高額は2022年01月に記録した「3兆9,800億元」)。
また企業への融資増加額も異常といえるレベルです。
当月は「4兆6,800億元」となっていますが、2022年12月は「1兆2,600億元」でしたから、一気に3兆元超が増えたのです。こちらも、これほどの資金調達が必要なのか――という現況を表しています。
「中国のリオープニング」に期待する向きもありますが、本当にそんなことができるのか?と懐疑的に見ておいた方がよくはないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)