韓国では「KTX」という高速鉄道が運行されています。
「KTX」の中には、なんだかゼロがやたらに付く「韓国鉄道公社150000系電車:KTX-イウム」という列車があります。
↑「KTX-イウム(KTX-이음)」。イウムは「つなぐ」という意味。正確には準高速列車とのこと
これは、2019-2021年製造で、2021年から運行されており、KTXの車両としては初めての「動力分散方式」を採用したもの――となっています。
韓国では最新の列車なはずですが、スマホの画面が見られないほどの振動がある――と苦情が殺到し、2023年03月06日から国土交通部が検査を行っていました。
2023年03月20日、国土交通部は「KTX-イウムの振動現象に対する特別点検を6日から5日間実施した結果、列車の振動緩和装置の欠陥によるものと判断される」と公表しました。
以下が国土交通部が出したプレスリリースです。要点だけ和訳します。
(前略)
ㅇ『韓国鉄道公社』と『現代ロテム』は、江陵線KTX-イウム列車の振動の原因を、振動を緩和する装置の欠陥と考え、振動緩和装置の交換および車輪形状の改善を短期的に実施している。根本的な改善のために空気ばねの交換を推進する計画だ。(中略)
点検結果により、国土交通部は、現在進行中の振動緩和装置の交換および車輪形状の改善作業は1カ月短縮(06月 → 5月)、根本的な改善のための推進中の空気ばねの交換作業は1年短縮(25年 → 24年)して早期に完了するよう『韓国鉄道公社』に是正措置を要請した。
ㅇまた、根本的な改善が完了するまで、線路分岐が多い一部の駅、橋梁など一部区間(10カ所)で発生する振動を低減するため、減速(200㎞/h → 170㎞/h)して運行し、定期的に搭乗点検を行うなど、振動発生状況のモニタリングを強化するようにした。
(中略)
国土交通部のチョン・チェギョ鉄道安全政策官は「列車の振動による乗り心地の問題は、列車利用客の快適な旅行のために早急に改善する計画であり、振動が激しくなる場合、安全に影響を与える可能性があるため、徹底的に管理する計画」と明らかにした。
(後略)
国土交通部は、「鉄道運営会社である『KORAIL』(韓国鉄道公社:引用者注)と列車納品会社である『現代ロテム』が部品交換などの改善作業を早急に実施することにした」としています。
具体的には、車両の振動を減らすために列車の車輪を削り直し、車両の左右の揺れを抑える役割をする「ヨーダンパー」を交換。
また、根本的な振動改善のため、列車の空気ばねも交換することにした――とのこと。
なんだか根本的に駄目だった感じが濃厚ですが、ともかく部品交換に乗り出すようです。しかし、根本的な解決は「1年後」です。
それも2年度の2025年までに終わる計画を最初立てていたところを、1年短縮して2024年。
それまでは分岐の多い箇所では減速運行するとのこと。
異常な振動が安全に大きな問題というのは、筆者のようなド素人にも分かります。根本的に解決するまで走らせない方がいいのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)