韓国はこれまで対中国の貿易でぼろもうけしてきました。
上掲は、2017~2022年の対中国貿易での黒字(貿易収支)の推移ですが、見事な右肩下がりになっています。
2018年には「556億ドル」ももうけていたのに、2022年にはそれがたったの「12.5億ドル」まで減少しました。
さらに2023年は02月までの時点ですでに赤字です。
対中国貿易で韓国は稼げなくなっており、これが貿易立国である韓国を窮地に追い込んでいる理由の一つです。
中国貿易はなぜ赤字になったのか
この「中国貿易でのもうけ」は回復するのでしょうか。
結論からいえば望み薄です。なぜなら、
①中国が韓国の技術力に追いつき、韓国製品の需要が激減している
(スマートフォン・電気自動車・造船など)
⇒韓国の輸出が減少する
②資源・中間財などで韓国が中国に依存するものが増加している
(二次電池の原材料・太陽光パネル・ワイヤーハーネス・尿素水など枚挙に暇がない)
⇒韓国の輸入が増加する
という要因があり、この傾向は止めることができません。
つまり、①で中国への輸出が減少し、②で中国からの輸入が増加するわけですから、貿易でのもうけを示す貿易収支(輸出 – 輸入)は減って当然なのです。
中国貿易での赤字はさらに拡大するだろう
「対中国貿易で赤字が増えるぞ」という指摘は韓国メディアからも出ています。
理由は「中国に依存する輸入品が急増しているから」です。韓国メディア『韓国経済』の指摘によれば(国会企画財政委員会のデータが基)――。
中国に「70%以上」依存する輸入品目
2016年:785
2017年:806
2018年:827
2019年:847
2020年:867
2021年:958
70%以上を中国から輸入している品目は、「2016年:785品目」から「2021年:958品目」へと「22.0%」増加しています。
つまり、韓国は中国依存が高まっているのです。逆に「中国が韓国に70%依存している品目」は、以下のとおり「33品目」に過ぎません。
中国が韓国に「70%以上」依存する輸入品目
2016年:33
2017年:32
2018年:41
2019年:42
2020年:41
2021年:33
中国に対して韓国は大変に分が悪く、仮に中国が対韓国の輸出規制に踏み切ったら、韓国が干上がるのは火を見るよりも明らかです。しかし、韓国は中国への依存度を深める方向で動いており、これが中国からの輸入を増加させています。
総じていえば、中国の技術力向上によって韓国製品の輸出は減り、依存を深めることによって中国からの輸入が増える。貿易黒字は減少せざるを得ないですし、赤転・赤字拡大は自明の理なのです。
(吉田ハンチング@dcp)