文在寅前大統領にとっては大変残念な結果となりました。
2023年09月08日、ソウル中央地裁は、文前大統領が高永宙(コ・ヨンジュ)さんを相手に起こした損害賠償訴訟で原告一部勝訴とした一審判決を取り消し、原告敗訴と判決を下しました。
文在寅の敗訴です。
文在寅に提訴されて無罪となるまで
本件は、そもそも高永宙(コ・ヨンジュ)さんが「文在寅は姿を変えた共産主義者だ」と発言して提訴された件についての判決です。
高さんは、2013年01月に、保守団体の集まりおいて、
「文在寅は姿を変えた共産主義者だ。彼が大統領になれば韓国が赤化されるのは時間の問題だ」
と述べました。これが問題視され、提訴されたのです。
発言一つを罪に問おうという、文在寅前政権の無茶苦茶さと専横ぶりが分かる事案ですが、同時に政権のなりふり構わぬ親北朝鮮・親中国の姿勢を見れば、高さんの発言は間違ってはいませんでした。
文在寅の提訴によって、検察は高さんに「告訴人・文在寅の名誉を傷つけたとして懲役1年6カ月を求刑。
2018年07月26日に結審したのですが、一審では「高元理事長が同じ立場にある市民団体会員を対象に発言したことを勘案しても、誇張された意見の表明を超えて名誉を毀損する断定的な表現をした。これは文大統領の人格権を侵害した不法行為」とし「3000万ウォンの慰謝料を支払え」と原告一部勝訴の判決でした。
2審で高裁は「高元理事長の発言は、自分と反対の活動をしてきた文前大統領に対して不満を持って参加政府の時に公正でない挨拶をしたという事実を適時または暗示しており、このような事実は文大統領の社会的価値および評価を低下させるのに十分だ」と判断。
ただし「高元理事長が当時正しく整理できなかった考えを即興的に言葉で伝える過程で、不適切な発言に至ったことなどを考慮した」とし、慰謝料賠償責任を1,000万ウォンに減額。
ところが、大法院(最高裁判所に相当)は、高元理事長の発言は「公的人物である文前大統領の政治的理念に対する意見交換と論争による検証過程の一環として見なければならない」と1・2審の判決を覆して、ソウル中央地裁に差し戻したのです。
その結果、高さんは破棄返送審で無罪が確定したのです。
文在寅が大統領になった影響、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権に代わった影響も大きいでしょうが、呆れるような事案だといわざるを得ません。
韓国の司法は常に政治的な存在で、そもそも三権分立などありはしないのですが、本件によって文在寅をパージする方向性は確定的になると思われます。もっとも、2024年の総選挙の結果が『共に民主党』有利に傾けば、それもどうなるか分かりません。
(吉田ハンチング@dcp)