韓国通貨当局がウォン安阻止の為替介入でいくらドルを溶かしたのかが明らかになりました。
2023年09月27日、『韓国銀行』が「外国為替当局の純取引(2023年第2四半期)」を公表しました。
□2023年第2四半期中、市場安定化のために外国為替当局が外国為替市場で実施した外国為替取引額
ㅇ外国為替純取引額:-59.73億ドル
⇒参照・引用元:『韓国銀行』「外国為替当局の純取引(2023年第2四半期)」
四半期に一度出る報告書です。市場安定化のためというのは、外為市場でドルウォンの為替相場安定のために行った売買のデータです。
これは純買収額を示しており、「買収額 – 売却額」です。マイナスとなっているのは売却額の方が多かったわけで、つまり59.73億ドルを売り越した――ことを意味しています。
売却はすなわち「ドル売りウォン買い」ですから、ウォン安阻止の為替介入にそれだけ掛かったことになります。ドルウォンチャートで確認してみましょう。
以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:日足)。
2023年の第1四半期は「-21.00億ドル」でした。恐らく天井圏でウォン安阻止を行ったと思われます。
防御戦の甲斐あってか、いったんレートはウォン高方向へ進みますが、その後再びウォン安方向に進行。第2四半期になって、第1四半期の最高値を抜き、ウォン安が進行。
ダブルトップを作ってウォン安進行が天井圏で阻止されます。
第1四半期よりもウォン安圧力が強く、そのため韓国の通貨当局も第1四半期よりも多く、約60億ドルも溶かしたものと推測できます。
問題は第3四半期です。
第2四半期と同じぐらいのレートで阻止できるのかと思いきや、上掲のチャートどおり突破されました。通貨当局はここでも防御戦に出てかなりのドルを溶かしたものと思われます。
第3四半期にいくら溶けたのかは、2023年12月に開示されます。
韓国通貨当局は、ウォン安阻止の防戦で以下のようにドルを溶かし続けています。
2021年第2四半期:0.0億ドル
2021年第3四半期:-71.42億ドル
2021年第4四半期:-68.85億ドル
2022年第1四半期:-83.11億ドル
2022年第2四半期:-154.09億ドル
2022年第3四半期:-175.43億ドル
2022年第4四半期:-46.04億ドル
2023年第1四半期:-21.00億ドル
2023年第2四半期:-59.73億ドル
※データ出典:『韓国銀行』
2021年第2四半期~2023年第2四半期の8四半期連続の売り越しで、累計で溶けたドルは「679.67億ドル」(約10兆1,420億円※)です。
「いつまで続くドル売りよ」です。
※2023年10月08日「1ドル=149.22円」で計算
(吉田ハンチング@dcp)