日本ではあまり知られていませんが、中国企業もハイブリッド車を製造しています。やっすい電気自動車一本槍ではありません。中国では新エネルギー車のカテゴリーに入りますが、ハイブリッド車が中国でもあらためて売れるようになってきました。
中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』が本件について記事を書いているのが面白い点です。ただし、中国産の新エネルギー車を脅威をみなすのは誇張であり、売れているのは中国企業が努力しているからだ――というのが主旨なのですが。
記事の冒頭部分を引用すると、以下のような具合です。
欧米のメディアは、純粋な電気自動車と並ぶ新エネルギー車(NEV)セクターに属するハイブリッド車セグメントに注目することで、国際ブランドや海外市場に対する中国製自動車の「脅威」についての誇大宣伝を強化している。
欧米のメディアは、ハイブリッド車の販売台数が急増していることだけに目を奪われ、技術を向上させ、イノベーションを強化し、消費者の需要を満たすモデルを積極的にリリースしている中国内メーカーの努力に目をつぶっている。
(後略)
中国企業が努力しているから売れているのであって、それを脅威というのは誇大広告だというのです。
では、中国内でどのくらいハイブリッド車が売れているのかというと――2023年10月にはなんと78.2%も増えました。
(前略)
10月の純電気自動車の販売台数は58万5,000台で、前年同月比14.4%増。PHEV(プラグインハイブリッド車)の販売台数は29万8,000台で、78.2%急増した。
NEV(新エネルギー車)総販売台数のうち、PHEVモデルが34%を占めたことが業界データで示された。
(後略)
今や世界第1位の自動車市場となった中国で、プラグインハイブリッド車の販売台数が急増しており、新エネルギー車カテゴリーのうち34%を占めるようになった――のです。
電気自動車移行に急舵を切ったものの、「不便じゃん!」と分かってハイブリッド車の人気が高まったものと思われます。
人気を得ているのは、例えば『理想自動車』(Li Auto)のPHEVです。
『理想自動車』の10月の販売台数は過去最高の4万422台。前年同月比302.1%増となっています。
豊田章男さんが「だから、僕言ったでしょ!」とおっしゃるかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)