韓国というのは実にドタバタした国で、ロシアだけではなく「いつも少し非常事態」※なところがあります。
※小泉悠先生の奥さまの名言「ロシアはいつも少し非常事態だから」を参照(以下動画)
2023年がまさに終わろうとしていますが、韓国の投資家の皆さんにはお気の毒なことに2024年が来たらいきなりピンチです。例の「ハンセン中国企業指数を基礎資産とするELS」が01月から続々満期を迎えるのです。
先にご紹介したとおり、ELSはハイ&ローゲームみたいな金融派生商品で、設定された値を超えたらすぐに償還され、利回りもいいのですが、満期を迎えてその値を越えていなかった場合、元金は全部返ってきません。
韓国では、コロナ禍前にはこれが「国民的財テク商品」だったわけですから、いかに韓国の皆さんが投機好き(もっといえば博打好き)であるかが分かります。
では、文字どおり「元も子もなくす」可能性がどのくらいあるのが、元資産となっている「ハンセン中国企業指数」の最新のチャートを見てみましょう。
以下をご覧ください(チャートは『Investing.com』より引用:月足)。
2021年01月の終値が「1万1,208.78」で直近12月25日が「5,488.98」ですから、約51.2%の下落。
「ハンセン中国企業指数」は半値未満になっているのです。いかな韓国のELSでもこんな低位のブウを切ってはいません。つまり、このような値のまま満期を迎えると、張った皆さんの元本は全部返ってきません。
では、満期を迎える同様のELSの金額はどうなっているかというと――以下をご覧ください。
2024年01月に8,000億ウォン。このままいけば全部蒸発です。02月に1兆4,000億ウォン、03月に1兆6,000億ウォン……と続いて、2024年の上半期だけで計9.2兆ウォンになります。
これが全部吹き飛んだら、韓国の投資家の皆さんはざっくり9,200億円を失います。
金融監督院は今になって、「ちゃんと元も子もなくすかもしれない金融商品だと説明したのか?」などと銀行・証券会社を締め上げる動きをしています。しかし、銀行・証券会社に責任を押し付けて、元本保証などすれば、それこそ後進国のすることで、とても資本主義の国だとはいえません。
そもそも、なぜ中国のような信頼のおけない株式市場にお金を張るのか?が意味不明です。自分から栗を拾いに手を突っ込んでやけどするのは仕方ありません。自分の考えのなさが招いたものです。
韓国で阿鼻叫喚の地獄絵図が見られるかもしれません。
(柏ケミカル@dcp)