先に、「なぜ台湾人はこんなに韓国に行かないのか」という件をご紹介しましたが、実はタイの皆さんも韓国に観光旅行に出掛けるのを忌避する傾向にあります。
コロナ禍からの観光客の戻りが大きくなり、韓国も(一応)ホクホクしているのですが、『韓国観光公社』の公表したデータによると、タイの皆さんの韓国忌避は続いています。
2024年06月時点で、訪韓したタイ人は「2万150人」で対前年同期比で「-19.5%」。(戦争当事国などならともかく)世界的にインバウンド需要が高まっているというのに、約2割も減るというのは明らかにヘンです。
なにせ、韓国への観光客の流入は、同じく06月時点で141.7万人、対年々同月比+47.5%と、ほぼ1.5倍に増えたのに……タイの皆さんだけは約2割減です(しかも7カ月連続での対前年同月減少)。
コロナ前の2019年には、訪韓するタイの皆さんは50万人以上いたのです。
2019年 訪韓する観光客数
タイ:57.2万人
ベトナム:55.4万人
フィリピン:50.4万人
忘れもしませんが、当時、韓国では「K-POP、韓国ドラマ、韓国映画がタイでヒットしたためで、韓国の影響力は大きくなった」と大はしゃぎしていたのです。
ところが……。
2024年上半期 訪韓する観光客数
ベトナム:24.9万人
フィリピン:24.8万人
シンガポール:17.2万人
タイ:16.8万人
インドネシア:16.5万人
と非常に低調な現実となっています。
なぜ、こんなにタイの皆さんが韓国を忌避するようになったかというと「嫌われているから」です。
韓国は嫌われている!
Money1でも少しだけご紹介したことがありますが、韓国は外国からの観光客を増やすため、2021年09月に導入されたK-ETA(電子旅行許可証)を導入しました。これは、ノービザで韓国を訪問できるようにあらかじめ、出国前に電子的許可を得ておく(現地出発前にホームページに情報を入力する)というのものです。
これを訪韓前に登録しておけば、すんなり訪韓できる、という制度なのですが――タイの皆さんに対して、訪韓してみたら入国できませんでした――というケースが多発。
こういう目に遭ったタイの皆さんが、SNSで事態を告発したため、「誰がそんな韓国なんかに行くもんか!」となって、韓国を忌避する動きが広まったのです。
韓国の文化体育観光部は、タイからの観光客を誘致しようとして、年末まで法務部にタイ人に対するK-ETAの一時免除措置を要請したのですが――法務部は「受け入れ難い」として突っぱねました。
「タイは国内違法滞在者1位の国。不法滞在者が麻薬や性犯罪など強力犯罪に流入する場合が少なくない」――という理由です。
――というわけで、韓国はタイの皆さんから忌避されており、観光客も減少しているのです。
(吉田ハンチング@dcp)