2024年04月に行われる韓国国会議員総選挙。その一大決戦に向かって、韓国では政争の嵐が吹き荒れています。
政府与党『国民の力』、最大野党『共に民主党』の双方ともに絶対に負けるわけにいきません。
韓国の場合、選挙に負けることは監獄行きと同義ですから、特に政権にない『共に民主党』議員は必死です。『国民の力』が議会の過半数を占めれば、保守寄りの勢力が強化されて監獄行きトレンドが強まるからです。
『国民の力』としてもここで負けると次期大統領選挙での敗北が見えるため、そうなれば「監獄行きは数年後の確実な未来」。
というわけで両党とも必死です。
Money1でもご紹介しているとおり、『国民の力』は大人気の韓東勳(ハン・ドンフン)さんを非常対策委員会・委員長に就任させ、新風を吹き込みつつあります。一方の『共に民主党』側は、疑惑の総合商社・李在明(イ・ジェミョン)さんが党首に居座り続け、この体制のママで勝利を得ようとしています。
韓東勳と文在寅が握手を交わす
『共に民主党』といえば、前大統領である文在寅さん。文在寅さんはいまだ逮捕されておらず、監獄にも行っていませんが、疑惑が多々あることは確かです。文さんにとっても『国民の力』の勝利は避けてほしいところです。
大統領を退任するときには「誰からも忘れ去られて暮らしたい」などと言っていたにもかかわらず、(極めて政治的な)本屋を開業し、いまだに生臭い発言を続けています。
その新星・韓東勳(ハン・ドンフン)非常対策委員長と文在寅さんのニアミスがありました。
2024年01月06日に行われた「金大中(キム・デジュン)生誕100周年記念式」でのことです。
金大中(キム・デジュン)さんがそもそも左系の支持が厚い人なので、そっち系の人が多く参加したイベントでしたが、韓東勳(ハン・ドンフン)委員長も式には参加。顔を合わせた二人は握手を交わしました。
↑「金大中生誕100周年記念式」で握手する韓東勳(ハン・ドンフン)さんと文在寅さん(右)。
ちなみに文在寅前大統領が何を述べたのかというと……以下のように発言しています。
「激動の韓国現代史で金大中(キム・デジュン)元大統領のような傑出した指導者を持つことは、韓国民族にとって大きな幸運だった。時代を見抜く洞察力で先が見えない暗闇の中で道を照らしてくれた」
「金元大統領は民主主義の危機、民生の危機、南北関係の危機、3大危機を嘆き、『私はもう年を取り、病気で力がないので、若い皆さんが野党統合で力を合わせ、必ず政権交代を成し遂げなさい』と心からの要請をした」
「その要請は、私たちの後輩たちに残した金元大統領の最後の遺言であり、私が政治に飛び込むことになった大きなきっかけとなった」※
※この「金大中(キム・デジュン)元大統領の発言」は、金元大統領の逝去前、最後に一緒に食事をした席で行われたそうです。
「(金元)大統領が念願した世界が再び遠ざかっており、世界が逆行している」
「民主主義は再び危うくなり、国民経済と民生がますます困難になった」
「凍りついた南北関係と国際秩序の中で韓半島の軍事的緊張がさらに激化した。絶えず続く敵対と報復の政治、極端に偏狭なイデオロギーの政治で国民統合もさらに遠ざかった」
演壇に立った文在寅前大統領はこのように述べたのですが、「絶えず続く敵対と報復の政治、極端に偏狭なイデオロギーの政治」を行ったのは、文在寅その人です。
朴槿恵(パク・クネ)大統領を引きずり下ろし、保守寄りの人々に対して事実上の粛清を行い、自分が捕まりたくない一心で「検察から捜査権を剥奪する法」を推進するなど、韓国の屋台骨を傾けました。厚顔無恥にもほどがあるでしょう。
韓国を分断したのは、文在寅と左派・進歩系といわれる輩に他なりません。
ご注目いただきたいのは「民主主義は再び危うくなり……」です。もう何度だっていいますが、文在寅のいう「民主主義」の頭には「自由」が付きません。北朝鮮と一緒になりたいという考えなので「自由」が邪魔なのです。
文在寅こそが主体思想にかぶれた「北朝鮮を信奉する人物」であり、韓国が自由主義陣営国側にとどまりたいなら、真っ先に除かねばならない対象です。韓東勳(ハン・ドンフン)委員長のいう「586世代・運動圏上がり」の既得権益層そのものといえるのです。
嫁はんは韓委員長を華麗にスルー!
韓東勳(ハン・ドンフン)委員長と文在寅さんのニアミスの背後で、傑作な一幕がありました。
文在寅さんの奥さん、金正淑(キム・ジョンスク)さんが、韓東勳(ハン・ドンフン)委員長の挨拶を華麗にスルーしたのです。
文在寅前大統領に続いて入場していた夫人は、自分を見て丁寧に頭を下げた韓東勳(ハン・ドンフン)委員長の挨拶に対して返礼もしませんでした。
現場にいた関係者は「夫人は韓委員長を見たが、挨拶や目礼と見られるような行動はなかった」と述べています。韓東勳(ハン・ドンフン)委員長は有名人ですので「知らない」ということは考えられません。
この「華麗にスルー」が話題になったので、2024年01月07日、韓東勳(ハン・ドンフン)委員長はメディアに対して「(夫人が)私を知らなかったからそうなったのかもしれない。次に夫人に会ったら、もっと分かりやすく挨拶する」と話しています。
こういうのを大人の対応というのです。
(吉田ハンチング@dcp)