2024年07月02日、韓国の国民権益委員会が面白いデータを公表しました。
国民権益委員会が「公務員に苦情を入れる人」について調査してみたら、ひどいものだったという内容です。以下がそのプレスリリースです。
簡単にいえば「政府機関に悪質な苦情を入れるモンスタークレーマー」についての調査です。
悪質苦情実態調査の結果、中央行政機関、地方自治体、教育庁の一線公務員を対象とした常習的・反復的な苦情や暴行・脅迫などが相当多いことが分かった。
国民権益委員会(委員長ユ・チョルファン、以下「国民権益委」)は、03月から05月まで中央行政機関(49個)、地方自治体(243個)、市・道教育庁(17個)を対象に「悪質苦情実態調査」を実施し、その結果を発表した。
国民権益委員会の実態調査の結果、中央行政機関、地方自治体、教育庁に2024年03月現在、合計2,784人の悪質な苦情(常習的な繰り返し、違法行為など)者が苦情を提起していることが分かった。
タイプ別に見ると、業務担当者の個人電話に数百通のメールを送信するなど、常習・反復的に担当者を嫌がらせするタイプが全体の48%(1,340人)を占め、殺害脅迫や机を投げつけるなどの暴言・暴行タイプが40%(1,113人)を占めた。
また、担当公務員の実名公開後、抗議の電話を促したり、身元公開後、「座標をつける※」(原語では「좌표찍기」引用者注)を行うタイプも6%(182人)であり、苦情処理結果に対する不満で過度に情報公開を請求したり、非合理的な主張をするタイプも確認された。
※インターネットの隠語で特定のコメントや投稿を共有し、そのリンクにアクセスして推薦、非推薦、コメントなどをつけるよう促す行為。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 国民権益委員会』「公務員の対象となる悪性苦情の実態調査を行った。暴行・脅迫や常習・繰り返し苦情90%肉薄…」
執拗にクレームを繰り返す、暴言暴行、公務員の身元を特定して攻撃を促すなど、悪質なクレーマーが確認されています。
ソウル市教育庁
10カ月間も持続的に繰り返される苦情で担当者が身体麻痺症状を起こす。ソウル市ノウォン区
苦情処理に対する不満で「包丁を持って区役所に行く」と脅迫光州市
ユーチューブで公務員の身元を公開した後、団体会員に抗議の電話を促す。法務部
仮釈放不許可に対する不満で情報公開1,000件以上請求消防庁
自分の不満に合わせろという趣旨で繰り返し苦情を申し立てた。
――といったモンスタークレーマーの例が挙がっています。
中には「完全にアレ」な人もいるようで、以下のようなクレームがあったことを国防部が報告しています。
国防部
「自分は朝鮮時代の宮女であり、自分が保有する財産は日本の天皇がすべて持って行った」と主張。反復的に電話をかけ、書籍、新聞記事、写真を50回以上送付。
こういう電話が何度もかかってくるわけですから、韓国の国防部も大変です。
今回のプレスリリースでは、韓国政府機関の皆さんがどれほどモンスタークレーマーに悩まされているかが分かる、とても面白いものです。もし時間があったら、国家権益委員会のサイトにアクセスして閲覧してみてください。
(吉田ハンチング@dcp)