韓国政府がなぜか「韓国には他国を凌駕する技術力があるんだ」と主張するようになっています。
自画自賛に励んでも仕方がないと思われるのですが、2024年07月04日、産業通商資源部は「国家核心技術31件の大幅整備」というプレスリリースを出しました(以下)。
産業通商資源部は、
国家核心技術とは、技術的・経済的価値が高く、海外に流出した場合、国家安全保障および国民経済に悪影響を及ぼす可能性がある技術であり、「産業技術の流出防止および保護に関する法律」に基づき指定された技術です。
と説明しています。
外国に漏れたら、安全保障および経済に悪影響があるので、漏洩については法律によって規制されます。逆にいえば、法律の規制対象となる技術について再設定する、としたわけです。
今回の再設定の対象となった技術は全部で31。このうち4つが新たに指定、3つが指定解除、24が名称・内容の変更です。
以下の4つを国家核心技術に新たに指定しました。
原子力関連
1.原発構造物設計超過地震力低減用ゴム系免震装置技術
2.TRISO-SiC核燃料の常圧焼結及び高温耐酸化性向上技術機械関連
3.発電用ガスタービン水素燃焼設計・製造技術自動車・鉄道関連
4.高速鉄道車両の車体設計、解析および製造技術※いずれも指定された「技術名称」(以下同)
以下の3つが国家核心技術の指定を解除されました。
原子力関連
1.原発自動補助給水系統技術
2.原発蒸気発生器2次側遠隔目視検査技術
3.新型軽水炉原子炉出力制御システム技術
以下の24個の対象技術で名称と内容が変更されました。
半導体関連
1.64段以上の積層3DNANDフラッシュに対応する設計・プロセス・素子技術電気・電子関連
2.リチウム二次電池Ni含有量80%以上の両極材料(前駆体を含む)の設計、製造および工程技術
3.次世代リチウム二次電池(600mAh/g以上の超高性能電極を含む)の設計、工程、製造および評価技術自動車・鉄道関連
4.Euro6基準以上のディーゼルエンジン燃料噴射システム、過給システムおよび排気ガス後処理システムの設計および製造技術
5.高速鉄道車両の動力システム、制御装置の設計及び製造技術(牽引電動機・主電源変換装置・台車・車両総合制御デバイス技術に限る
6.自動運転自動車の核心部品・システムの設計および製造技術(ただし、商用化3年以内のカメラシステム、レーダーシステム、運転システムおよび精密位置検出システムに限る)鉄鋼関連
7.降伏強度700MPa級以上の鉄筋および引張強度650MPa級以上の形鋼製造技術[低炭素鋼(0.4%C以下)に変換する技術ギロウェイ方式で製造されたものに限る]
8.高加工用マンガン(10%Mn以上)含有特殊鋼製造技術
9.超精密めっき(分解能及び設計・制御技術)造船関連
10.高付加価値船舶(超大型コンテナ船、低温液化タンク船、氷海貨物船、エコ燃料推進船、電気推進船など)および海洋システム(海洋作業船、海洋構造物及び海洋プラントなど)設計技術
11.液化ガス貨物倉、燃料タンクの設計および製造技術(バリア、断熱システム及びポンプタワーの設計、製造および維持・保守・修理技術)
12.3千トン以上の船舶・海洋構造物用ブロック搭載及び陸上での船舶・海洋構造物建造技術(精度管理、安全制御及び連動制御技術)
13.船舶自律運航(状況認識、知能航海、デジタルブリッジ及び統合プラットフォーム、船内外通信及びセキュリティなど)及び統合制御管理システム技術
14.エコ燃料(低炭素および無炭素)運搬および推進船舶用燃料供給装置、貨物運営システム、再液化および再気化装置など設計、工程および製造技術宇宙関連
15.超高解像度(高度500Km基準50cm以下級)光学衛星高速操縦精密姿勢制御および決定技術
16.口径1m以上の衛星搭載用電子光学カメラの製作・組立技術機械関連
17.20トン級以上の中・大型掘削機の信頼性設計・検証・製造技術
18.オフロード用Tier 4F, Stage-V排ガス規制を満足する産業用ディーゼルエンジンおよび後処理システム設計技術
19.トラクター用負荷感応型自動変速機の設計・製造技術
20.低GWP冷媒用の無給油ターボ圧縮機ベースの産業用高温ヒートポンプ技術
21.人間にやさしい超高速エレベーターの設計・運転技術ロボット関連
22.腹腔鏡、内視鏡および画像誘導手術ロボットシステムの設計、製造および制御技術
23.製造工程における作業領域を複数の製造ロボットが作業領域を共有するソフトウェア技術
24.映像監視基盤ロボット多重移動ロボット統合制御技術
韓国の核心技術と設定しても、後になって「全くの役立たず」だったと分かることもあります。廃船が決定された「韓国型液化天然ガス(LNG)貨物倉KC-1」はその典型例です。
この20年たっても完成しなかったポンコツテクノロジーを、産業通商資源部は「国家核心技術」に指定していたのです。今となっては大笑いですが、できた当時は韓国サイコーの「名品」だったのです。
上掲のとおり、「11」に「液化ガス貨物倉、燃料タンクの設計および製造技術」が入っていますが、その核心技術とやらが本当にあるのなら、「KC-1」はモノになったはずではないでしょうか。
産業通商資源部がいうところの「韓国の国家核心技術」なるものが本当にあるのかは疑問です。
(吉田ハンチング@dcp)