韓国鉄鋼最大手『ポスコ』も中国から撤退! 110万トン製造できる製鉄工場も売却へ

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中国では鉄鋼企業が次々飛ぶ、という事態になっています。

Money1でもご紹介しましたが、村営から出発して有名企業にまで発展した『東嶺集団』が2024年08月に突然破綻しました。

中国の優良企業だった『東嶺集団』突然破綻。
日本ではほとんど知られていませんが、『東嶺集団』という企業があります。主要業務は、鉄鋼の生産、および非鉄金属の精錬、鉱産エネルギー、サプライチェーンサービスなどです。また『東嶺集団』は中国西部で最大規模の亜鉛精錬を行う民間企業の一つです。↑...

不動産市場が壊滅して建設業の需要が減ったこと、またコスト高によって採算が合わなくなったことが主な原因です。

需要が減少して低価格の叩き合いでレッドオーシャン、ただでさえコストが上がって採算が取れなくなっていますので、鉄鋼企業が青息吐息になるのは当然です。

2024年に始まった話ではなく、2023年にはすでに「閉鎖・倒産・合併」の動きが注目されていました。

中国製鉄企業が危機に直面。鉄鋼価格が25%急落で閉鎖・倒産・合併
製鉄業において高炉が停止するというのは、魂がなくなるのも同然です。中国で今、鉄鋼業が危機的状況に陥っています。「閉鎖・倒産・合併」が待ったなしという企業が相次いているのです。例えば、2023年05月31日、河北省唐山『德龙钢铁有限公司』(D...

「鉄は国家なり」という言葉がありますが、中国共産党政府としてはここで鉄鋼企業がバタバタ倒れられるのは困ります。そのため、「再編」というので、鉄鋼企業のマージを進めています。それでも救済できない会社が飛んでるのです。

この波に外国企業も巻き込まれています。

韓国を代表する鉄鋼メーカーである『POSCO(ポスコ)』が、1997年に設立した『張家港浦項不銹鋼』(PZSS)を売却する意向であることが分かりました。


↑『張家港浦項不銹鋼』の公式サイト/スクリーンキャプチャー

同社は、『ポスコホールディングス』『ポスコチャイナ』が82.5%の株式を持っていますが、残りは『江蘇沙鋼集団有限公司(Jiangsu Shagang Group Co., Ltd.)』が保有しています。

この『沙鋼集団』は1975年に設立され、現在では中国を代表する鉄鋼会社となっています。

『ポスコ』が株式を売却する理由は赤字続きだからです。

韓国の鉄鋼最大手『POSCO』営業利益が約4割も蒸発。中国のせいだ
2024年07月25日、韓国製鉄業界の雄『POSCO(ポスコ)』が2024年第2四半期の業績を公示したのですが、これが全然いけません。以下をご覧ください。2024年第2四半期総売上:18.5兆ウォン(-8.0%)営業利益:0.8兆ウォン(-...

上掲記事でもご紹介しましたが、『POSCO』の営業利益は激減しています。「中国のせい」というのは大当たりで、中国事業は2023年には「1.3億ドル」の営業赤字を出しました。

しかし、『ポスコ』が中国に持っている製鉄工場は巨大な生産力を持っています。ステンレス鋼を年間200万トンも生産できるのです。生産を続けても赤字ですから、手を引くのは当然の決断といえるでしょう。

『朝鮮日報』の報道によれば――『ポスコ』の関係者は「現在、アドバイザーの選定段階にあり、売却を含むさまざまな方法を検討中」と述べた――とのこと。

中国の安値叩き合いには誰も勝てないという証明です。

中国企業はその過剰生産性を海外市場に向けています。襲い来る中国産のイナゴの群れです。たまったものではありません。

(吉田ハンチング@dcp)

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