2025年08月07日、韓国の2025年06月末時点の国際収支統計が公示されました。
経常収支を確認しておきましょう。以下をご覧ください。
↑黄色でフォーカスしたセルが2025年06月の経常収支。2025年06月
貿易収支:131億6,050万ドル
サービス収支:-25億2,860万ドル
第1次所得収支:41億6,440万ドル
第2次所得収支:-5億3,130万ドル
経常収支(上記4つの合計):142億6,500万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
当月は経常収支が「142億6,500万ドル」と大きな黒字になりました。
この経常収支黒字は、そもそも貿易収支が「131億6,050万ドル」と常になく大きな数字になっためです。

上掲のとおり、(国際収支統計上の)貿易収支の黒字は2025年で最大となりました。
そもそも韓国は、
貿易収支:大きな黒字
サービス収支:小~中規模の赤字
第1次所得収支:小~中規模の黒字
第2次所得収支:小さな赤字
――という構造になっています。
海外からの配当などが計上される第1次所得収支の黒字は、サービス収支の赤字でほぼ「イッテコイ」になって相殺され、貿易収支から第2次所得収支の赤字を引いた分だけ、経常収支が黒字になる――のです。
そのため、経常収支が黒字になるには「貿易収支が大きな黒字であること」が前提です。
Money1でも過去に何度もご紹介しているとおり、貿易収支が赤字になると経常収支が赤字になりがちで、これが韓国経済を大きく傾けることになります。
韓国がドボン騒動を起こすのは、
貿易収支赤字 ⇒ 経常収支赤字
に陥ったときで、その結果「外貨流出が深刻」になってデフォルト騒動に陥ります。
当月は貿易収支が131.6億ドルしかないのに、経常収支が「142.6億ドル」と、貿易収支から約10億ドル積んでいます。
理由は「第1次所得収支」が「41.6億ドル」と常になく大きく、サービス収支「-25.2億ドル」とイッテコイの相殺にならず、約16億ドル黒字を加えることができたからです。
ここから「第2次所得収支:-5.3億ドル」が引かれても、計約10億ドルの黒字を、貿易収支の黒字「131.6億ドル」に足せたわけです。
――これで経常収支は「142.6億ドルの黒字」となりました。
当月の国際収支統計で面白いのは「外貨準備の増減」です。

2025年に入ってから外貨準備の増減はずっとマイナスを続けてきました。
ところが、当月は上掲のとおり「+30億20万ドル」となりました。外貨準備高の減少がここで止まったのか――は要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)






