2025年09月03日、『韓国銀行』が「2025年第2四半期の国民総生産」のデータを公表しました。
2025年 第2四半期 国民所得(暫定)
●2025年 第2四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.7%成長
(前年同期比0.6%成長)― 名目国内総生産は前期比2.0%成長
(前年同期比3.4%成長)●実質国民総所得(GNI)は前期比1.0%増加
(前年同期比2.2%増加)― 名目国民総所得は前期比2.0%増加
(前年同期比4.0%増加)(詳細内容は「別添」を参照)
別添:2025年 第2四半期 国民所得(暫定)※2024年の経済活動別設備投資(暫定)推計結果は、韓国銀行経済統計システム(ECOS)を通じて公表。
2025年第2四半期、韓国のGDP成長率は対前期比「0.7%」(正確には0.67%)となりました。
これだけだと「低成長から脱出した」――とも見えるのですが、問題は中身です。
2025年(暫定)
実質GDP
1Q:-0.2%
2Q:0.7%(0.6%)民間消費:0.5%(0.9%)
政府消費:1.2%(2.6%)
建設投資:-1.2%(-11.4%)
設備投資:-2.1%(3.4%)
知的財産生産物投資:0.8%(3.0%)
在庫増減:0.2%(0.8%)
輸出:4.5%(4.5%)
輸入:4.2%(4.5%)※( )内は対前年同期比の増減
民間投資は回復した傾向なのかな……な感じではありますが、政府消費は対前期比で1.2%、対前年同期比で2.6%も伸びていますが、これは民間でお金が回らないときは政府が……な結果です。
要するに「公共支出が拡張的でGDP全体を下支えしている」姿を見せているわけです。
ご注目いただきたいのは、韓国の経済を支えてきた建設投資の絶不調ぶりです。対前期比で「-1.2%」、対前年同期比でなんと「-11.4%」ものマイナス成長です。
『韓国銀行』はこの速報値の発表時に記者ブリーフィングを行っていますが、キム・ファヨン国民所得部長は「今年の年間成長率1%台に達するためには、下半期の成長率が前期比で0.7%以上が出なければならない」と述べています。
Money1でもご紹介したとおり、韓国政府は2025年のGDP成長率を「0.9%」と予測をこれまでより0.1%上昇させたのですが、この第2四半期の結果をもっても1.0%になると思うのは早い、と慎重な態度をとっているのです。
アメリカ合衆国相手の関税交渉がまだ落着していませんから、韓国経済の先行きはまだ不透明です。

(吉田ハンチング@dcp)







