【韓国の外貨準備】4,200億ドルを回復「1年ぶり!」

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秋夕チュソクの連休が明けまして、ようやく『韓国銀行』から「2025年09月末時点の外貨準備高」が公表されました。

2025年09月
外貨準備高:4,220億ドル(約64兆5,533億円)
前月比:+57億ドル

<<内訳>>
⇒Securities:3,784億ドル(約57兆8,838億円)
(証券類)
前月比:+123億ドル

⇒Deposits:185億ドル(約2兆8,300億円)
(現預金)
前月比:-65億ドル

⇒SDRs:158億ドル(約2兆4,169億円)
(IMFのSDR(特別引出権))
前月比:増減なし

⇒Gold:48億ドル(約7,343億円)
(金)
前月比:増減なし

⇒IMF position:45億ドル(約6,884億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:-1億ドル

円換算は2025年10月10日「1ドル=152.97円」のレートで算出

⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of September 2025)」

当月は57億ドル増加して、韓国の外貨準備高は久しぶりに4,200億ドル台を回復しました。

当月の注目は、Securities(証券類)が123億ドル増加して、現金たるDeposits(預金)が「65億ドル」も減少している点です。

2020年01月~2025年09月の外貨準備高の推移を見ると以下のようになります。

当月は4,220億ドルとなり、4,200億ドルを回復しましたが、これは実に2024年09月以来のことです。

なぜ当月このように外貨準備高が増加したのか、『韓国銀行』は以下のように説明しています。

ㅇ 運用収益の増加、四半期末効果による金融機関の外貨預り金の増加
などに主として起因

以前にご紹介したことがありますが、「四半期効果」というのは、各四半期末(03月・06月・09月・12月の期末日)に特有の、規制・会計・報告の締め日を意識した資金繰り・ポジション調整が一時的に生じる現象を指します。

1.規制対応・見栄え調整
2.短期資金・為替ポジションの「締め」
3.中央銀行外貨準備の「構成面」への反映
4.一過性のもので「翌月に戻りやすい」

――という特徴があります。

ご注目いただきたいのは「3」です。

期末に向けて海外金融機関の外貨預り金(預金)に資金が滞留しやすく、外貨準備の内訳で「deposits」項目が一時的に増えることがあります。

『韓国銀行』もそのように説明していますが、実際には現金たるDeposits(預金)は65億ドルも減少しているのです。

なぜでしょうか。

四半期末には、国内銀行がLCRなどの期末規制対応で外貨を『韓国銀行』に積み上げ(=外貨預り金が増加)。『韓国銀行』は受け入れた外貨を、

1.そのまま外貨預金に置く
2.より利回りのある短期国債・T-billなどの有価証券(Securities)へ振り向ける(流動性待機)

という二択があり得ます。今回は、受け入れた外貨をSecurities(証券類)側にバランスしたものと考えられます。

(吉田ハンチング@dcp)

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