韓国ではウォン安が進行し、株式が安くなり、債券も安値(利回り上昇)トレンドになっています。
ドルが強くなっているからウォンが安くなる――という説明があったりしますが、違います。

上掲はドルの強さを示す「DXY」の月足のチャートですが、ご覧のとおり、いまだ100にも達しておらず、むしろステーブルといっていい状況です。
しかるに、ウォン安が進行しています。同じように月足にしてドルウォンのチャートを見ると、以下のようになります。

11月はまだ途中ですが、ウォン安が直近高値に向かって進行しています。
つまりドルの強弱は関係なく、ウォンが自分の都合で安くなっているのです。
外国人投資家は1カ月で「10.8兆ウォン」も売り越した!
これに符合するように「株式に注目すべき動き」があります。外国人投資家が韓国株式の「売り」を進めているのです。
以下をご覧ください。

直近1週間で外国人投資家は、KOSPI市場において「2兆4,393億ウォン売り越しています。これを1カ月に期間を伸ばしてみるとどうなるか?
以下をご覧ください。

なんと「10兆8,731億ウォン」も売り越しているのです。
これはウォン安進行と大きく関係しています。当然の話ですが、売却代金(ウォン)を受け取ると……、
❶それをドルに両替して資金を本国に戻す
❷大量の「ウォン売り・ドル買い」が発生
❸ウォン安が進行
――となるからです。
もうひとつ。

↑韓国債3年物の利回りチャート(チャートは『Investing.com』より引用/月足)。
先にもご紹介しましたが、韓国債の利回りが上昇しており、これは債券売りが発生していることを意味しているからです。
債券が売却されて、売却代金(ウォン)を受け取っても……、
❶それをドルに両替して資金を本国に戻す
❷大量の「ウォン売り・ドル買い」が発生
❸ウォン安が進行
――となってウォン安が進行します(ウォン建ての場合)。
韓国資産の売却を進める意図は何か?
特に株式の10.8兆ウォンの売り越しは、1カ月としては「危機級」に近い数字です。
2020年、コロナ危機の際に月間(最悪月)の外国人売り越し:約−12〜13兆ウォンを記録したことがあります。今回の−10.8兆ウォンは、これに匹敵するのです。
もちろん、この先の様子を見なければならないのですが、株式・債券ともに「売り」が進行しています。つまり「韓国資産売り」であり、資本流出です。
問題は「なぜ韓国資産が売り込まれるか」――です。
(吉田ハンチング@dcp)






