駐韓イラン大使館「HMMの船舶被害にイラン・イスラム共和国軍は関与していない」⇒ イランメディアは「韓国船舶を標的にした」

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分からなくなってきました。

ホルムズ海峡で韓国最大手海運会社『HMM』が運行する「HMM NAMU」が攻撃を受けて、爆発・火災を起こした件です。

先にご紹介したとおり、アメリカ合衆国のトランプ大統領は「イランから攻撃を受けた」「韓国の船舶以外は攻撃を受けていない」「韓国がプロジェクトフリーダムに参加すべき時がきた」――とSNS『TruthSocial(トゥルースソーシャル)』に投稿しました。

しかし、Money1でもご紹介したとおり、韓国の大統領府の魏聖洛(ウィ・ソンナク)国家安保室長、また外交部は「イランから攻撃を受けた」とは、2026年05月07日の現時点でも述べておりません。

魏聖洛(ウィ・ソンナク)さんは船の被害調査について数日かかると述べています。この時点で「?」なのですが、2026年05月07日、駐韓国イラン大使館が以下のように声明(Official Statement)を出したのです。

イラン・イスラム共和国大使館公式声明
ホルムズ海峡における韓国船舶HMMの損傷に関する主張についての

イラン・イスラム共和国大使館は、ホルムズ海峡における韓国船舶損傷事件に関し、イラン・イスラム共和国軍が関与したといういかなる主張についても、断固として拒否し、全面的に否定する。

イランに対してアメリカ合衆国およびイスラエル政権が実施してきた侵略行為の開始以来、イラン・イスラム共和国は、ホルムズ海峡が侵略者およびその支援勢力に対抗するための自国防衛地理の不可分の一部を構成していることを繰り返し強調してきた。

この文脈において、この戦略水路の航行を規律する条件は、進行中の安全保障状況の影響を受けており、当該地域が敵対勢力およびその同盟勢力の行動によって高まった緊張状態に置かれているため、過去の時期に適用されていた条件とは異なる。

したがって、ホルムズ海峡を安全に通航するためには、適用される規則を完全に遵守し、発出された警告に十分注意を払い、指定された航路を順守し、かつイラン・イスラム共和国の権限ある当局との調整を行うことが必要である。

このような状況下において、軍事的・安全保障上の緊張の影響を受けた環境において、宣言された要求事項および実際の運用状況を無視するいかなる行為も、意図しない事故につながり得ることは明白である。

そのような結果に対する責任は、これらの事情を十分考慮することなく当該地域で通航または活動を行う当事者側にある。

イラン・イスラム共和国は、国際法および関連規則に従い、この地域における海上航行の安全および保安を確保することへの自国の責任を一貫して強調してきており、今後もそれを継続していく。

韓国の船舶が攻撃された――という件について、イラン・イスラム共和国軍が関与したといういかなる主張についても、断固として拒否し、全面的に否定する――と述べてはいます。

しかし、中段から後段にかけては、イランとの相談もなくホルムズ海峡を通過しようと試みれば「意図しない事故につながり得る」と書いています。また事故があった場合の責任は「(通過しようとした)当事者に帰する」となっています。

さあ、これはイラン側が攻撃したのではない――という否定になっているのでしょうか。

イランメディアは「」

もうひとつ。イランの英語メディア『PRESS TV』が興味深い記事を出していますので、その一部を以下に引きます。

「プロジェクト・フリーダム」、イランの非対称抑止の壁の前で48時間で崩壊…トランプは後退
2026年5月6日 水曜日 12:26 PM
[最終更新:2026年5月6日 水曜日 12:26 PM]
Press TV 戦略分析デスク

(前略)

即時かつ決定的だったイランの対応

いわゆる「プロジェクト・フリーダム」の停止は、アメリカ合衆国の善意から生まれたのではなく、生々しく、即時的で、圧倒的なイラン軍事抑止によって生まれた。

48時間前の開始から数時間以内に、イラン軍は、そのメッセージ性において致命的であると同時に計算された対応を行った。重大な警告射撃が、合衆国艦船へ向けて直接実施されたのである。これはワシントンが歴史的に回避してきたレベルの直接対決だった。

さらに、イスラム共和国が新たに定義した海上規則に違反した韓国船舶を標的にしたことは、明白なシグナルとなった。

すなわち、イランは自国の主権的権利を kinetic action(武力行使)によって執行する、ということである。

最後に、アラブ首長国連邦に対して発せられた明確かつ重大な最後通牒は、この戦争が国際水域内に封じ込められるという幻想を打ち砕いた。

イランは、合衆国の航空戦力の影の下で怯むことはないと示した。

イランは決定的交戦に完全に備えており、ある意味ではそれを歓迎している。メッセージは明白だった。イランは単にホルムズ海峡を防衛するだけでなく、その内部で侵略者を狩る、ということである。
(後略)

⇒参照・引用元:『PRESS TV』「’Project Freedom’ perishes in 48 hours as Trump retreats under the wall of Iran’s asymmetric deterrence」

『PRESS TV』は、イラン国営の英語放送メディアです。いってみれば中国の英語版御用新聞『Global Times』みたいなものです。

政府の方針に従ったプロパガンダ色が強いメディアですが、上掲のとおり「イスラム共和国が新たに定義した海上規則に違反した韓国船舶を標的にした(the targeting of a South Korean vessel that violated the new maritime rules defined by the Islamic Republic)」とはっきり書いています。

これが「HMM NAMU」が爆発・火災を起こしたことを指しているなら、やはりイラン側が行ったことになります。では、駐韓イラン大使館の「イラン・イスラム共和国軍が関与したといういかなる主張についても、断固として拒否し、全面的に否定」という声明は何なのか?

――というわけで、韓国政府が調査によってどのような結論を出すのかが注目されます。

(吉田ハンチング@dcp)

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