毎年のことですが、06月になると「韓国は先進国なのかしら?」なシーズンです。
『MSCI』の分類では韓国は先進国ではない!
『MSCI』は世界の株式市場を「投資家が実際に使いやすい市場かどうか」で棚卸しし、先進国・新興国・フロンティア市場などの分類を見直す作業を行っています。
その結果を毎年06月にレビューするのです。
『MSCI』の分類によれば、韓国は「先進国市場ではありません」なのですが、これが悔しくて仕方がない韓国政府は、先進国市場に分類されるために努力を続けています。
『MSCI』自身は、この年次市場分類レビューについて、MSCI指数が対象とする株式市場を正しくグループ分けし、投資家が市場を比較したり、地域別・分類別にまとめたりできるようにするためのものだと説明しています。
見るポイントは大きく3つ。
経済発展度
株式市場の規模と流動性
市場アクセス性
――です。MSCIの市場分類フレームワークは、この3つの基準で市場を評価する――と説明しています。
また分類が変更されるためには、観察対象国になる必要があります。観察対象国になり一定の期間、投資家の監視を受け、「うん。大丈夫だ」と確認されないと分類は変更されません。
『MSCI』は「分類変更が不可逆的と見なせる場合にのみ、昇格を検討する」としており、単発の制度改正だけでは足りないのです。実際に投資家が使いやすくなった状態が続く必要があります。
――で、韓国はどうなったのかというと、今年も空振りしました。観察対象国にも入りませんでしたので、韓国政府がどれほど歯噛みしても当分、先進国分類は無理です。
2026年06月23日、『MSCI』が「MSCI Announces the Results of the MSCI 2026 Market Classification Review」を公表しました。
具体的に何と書いてあるのかを全文和訳して、以下に引用します。
韓国市場の市場アクセス性(Market Accessibility of Korea)
2008年から2014年にかけて、MSCIは韓国を新興国市場(Emerging Market)から先進国市場(Developed Market)へ再分類する可能性について、世界の市場参加者との協議を実施した。
市場参加者は、域外外国為替市場(オフショア市場)における韓国ウォンの兌換性の制限を、再分類に向けた主要な障害として指摘した。
当時指摘されたその他の市場アクセス上の問題としては、投資家ID制度の硬直性、現物移管(in-kind transfers)および取引所外取引(off-exchange transactions)に対する制限、さらに金融商品の組成における取引所データ利用制限に起因する投資手段の不足が挙げられた。
MSCIは、韓国の市場当局がこうした長年の懸念に対処するために発表した措置を認識している。
しかしながら、投資家は、これらの根本的な問題が完全には解決されていないと伝えている。
韓国ウォンは依然としてオフショア市場で受渡し可能(deliverable)ではない。
さらに懸念されるのは、外国為替市場の取引時間延長後においても、オンショア市場の流動性が依然として著しく不十分であり、先進国市場で見られる水準に匹敵するタイトな執行を支えることができていない点である。このことは、指数連動運用者(index replicators)などにとって、外国為替業務上の柔軟性を制約している。
国際機関投資家は、韓国国内の夜間市場におけるウォン取引が、最終的には世界の他の先進国通貨の通常取引時間帯と同等の、大規模で厚みがあり、安定した流動性プールと、狭い売買スプレッド(bid/ask spread)を提供するようになることを確信できなければならない。
オムニバス口座(omnibus accounts)および現物移管(in-kind transfers)の実務上の導入も、依然として限定的である。
空売り禁止措置の解除後も、市場参加者は、再導入されたコンプライアンス制度の下で依然として大きな実務上の負担に直面している。
加えて、決済前の早期資金手当て(early pre-settlement funding)要件も、市場参加者にとって引き続き負担となっている。
MSCIは今後も制度実施状況を監視するとともに、市場参加者および韓国当局との対話を継続する。
改めて強調すると、再分類に関する協議が開始されるためには、すべての問題が解決されていること、改革が完全に実施されていること、そして市場参加者がその変更の持続的有効性について十分な時間をかけて徹底的に評価できていることが求められる。
⇒参照・引用元:『MSCI』「MSCI Announces the Results of the MSCI 2026 Market Classification Review」
傑作な文書です。
「あのさあ、そもそもさあ……」みたいな語り起こしで、「2008年から2014年にかけて……」と――韓国市場の分類について、観察対象国に入れて監視してみたけど、投資家からは問題が指摘されたでしょ――と書いています。
『MSCI』は、韓国当局がさまざまな措置を行ったことは認識しているよ、としながらも「投資家は、これらの根本的な問題が完全には解決されていない」と書いています。
傑作なことに、韓国政府がやってきたことの全否定です。
その上、「改めて強調すると……」で始まる「何回も言わせんじゃねえぞ」といいう文章で締めています。
すべての問題が解決されていること
改革が完全に実施されていること
そして市場参加者がその変更の持続的有効性について十分な時間をかけて徹底的に評価できていること
――が、再評価するには必要だとしました。
はい。強烈な門前払いですね。
(吉田ハンチング@dcp)







