2026年06月04日、『OECD』(Organisation for Economic Co-operation and Developmentの略:経済協力開発機構)は、年次報告書 『OECD Steel Outlook 2026』 を公表しました。
「2026年の鉄鋼市場報告」ですが、この中に中国の鉄鋼業を潰すべきと確信できるデータがあります。まず、以下が『OECD』の指摘です。
過剰生産能力は国際市場に圧力をかけており、特に中国の生産者が余剰鋼材を海外市場に輸出することで収益を維持しようとするため、価格を押し下げている。
これにより、輸入国での生産が置き換えられ、世界中の市場志向型鉄鋼産業の存続が脅かされている。
『OECD』加盟国の生産者は、ダンピングや補助金を受けた輸入の急増により競争力が損なわれており、貿易措置が増加しているにもかかわらず、高品質製品の輸出国としての地位も同時に弱体化している。
現在の傾向が続けば、このセクターの長期的な存続可能性や、多くの国の国家経済安全保障が損なわれることになるだろう。
世界の過剰生産能力の大部分は中国に集中しており、2025年第3四半期には、世界の生産能力と需要のギャップに占める中国の割合が世界全体の54%に拡大した(GFSEC、2026年)。
インフラ投資の鈍化により国内需要が停滞したため、中国の生産者は、失われた国内販売を補うべく、生産を海外市場へと転向させた。
その結果、中国の鉄鋼輸出は爆発的に増加し、2025年には過去最高の131Mtに達した。
安価な鉄鋼を歓迎する国もあった一方で、不公正な貿易 による輸入に対処するため、新たなアンチダンピング(AD)調査やその他の貿易救済措置を講じる国も現れた。
2025年には中国を相手取った新規案件が約27件提起され、これは同年に世界で提起されたアンチダンピングおよび相殺関税(CVD)案件全体の3分の1以上を占めた。
⇒参照・引用元:『OECD』「OECD Steel Outlook 2026」
中国の鉄鋼業は、国内の需要が激減したため、その過剰生産性を輸出に振り向け、各国で軋轢を強め、アンチダンピング課税の動きを高めているのです。
以下のグラフをご覧ください。

左は「地域別鉄鋼輸出総量」ですが、他の地域は減少、良くて横ばいであるにも関わらず、中国だけは、異常に輸出を拡大しています。
右は「生産に占める輸出の割合」ですが、中国だけが異常な上昇を見せています。これが、『OECD』の指摘する「中国の生産者は、失われた国内販売を補うべく、生産を海外市場へと転向させた」です。
他の地域の傾向とは異なり、中国の鉄鋼輸出は過去最高水準まで急増した――のです。そもそも世界的に鉄鋼生産は過剰なのですが、特に中国の過剰生産は異常なレベルに達しています。
だからこそ、中国の鉄鋼業は潰さねばなりません。
(吉田ハンチング@dcp)





