ドル不足を補うため、韓国はアメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と「スワップライン」(ドル流動性スワップ)※(これを韓国では「通貨スワップ」時に「通貨スワップ協定」と呼んでいます)を結びました。
韓国銀行はこれを利用してドルを市中銀行に供給しています。
2020年04月21日、FEDから供給されるドルを市中銀行に流すための「第4次オークション」が実施されました。上限40億ドルの供給に対して、落札は、
・6日満期(6日後に利子を付けて返済):入札なし
・84日満期(84日後に利子を付けて返済):20億1,900万ドル
という結果でした。計21億1,900万ドルが市中銀行に供給されました。
FEDがドル流動性スワップの利用状況を毎週公表していますので、滞納したりするとすぐ世界中に知られてしまいます。2020年04月24日にFEDが公表したデータを確認してみましょう。
まず、「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)です。
確かに04月23日に決済された21億1,900万ドルがシートに計上されています。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
04月23日時点で、ドル流動性スワップを利用した「未返済金額」は「161億9,400万ドル」です。この内訳は上掲のとおりです。第1~3次までの「7日満期」「8日満期」「6日満期」のドルは全て返却されており、第4次では「6日満期」ものに入札なしですから、残っているのは全て「83日満期」「84日満期」のドルです。
それにしても返済残が「161億9,400万ドル」というのはかなりの金額です。ないと困るからスワップラインを利用しているのでしょうが、そろそろ返済の心配もした方が良いかもしれませんね(大きなお世話ですが)。
※韓国メディアは「通貨スワップ」あるいは「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)