四月危機に襲われている韓国経済ですが、2020年第1四半期(1th Quarter:01-03月)の経済状況を総括する記事が韓国メディアでも増えてきました。データのとりまとめが進んでいるのでしょう。
「ウォン安」は「韓国売り」の結果です
2020年04月23日、『亜州経済(日本語版)』に「セルコリア」についての記事が出ました。「韓国売り」と呼ばれることもありますが、韓国が見捨てられ、韓国の資産が売られることです。つまり韓国から資本が逃避します。
同記事では、以下のようにまとめています(面倒くさい人は斜め読みでも大丈夫です)。
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)事態により金融市場が混乱に陥ったなか、第1四半期に一日平均外国為替取引高は過去最大を記録した。
韓国銀行が23日に発表した「第1四半期中の外国為替銀行の外国為替取引動向」によると、今年第1四半期の外国為替銀行の一日平均外国為替取引規模は593億7000万ドルであり、前四半期より49億9000万ドル(9.2%)増えた。
これは、関連統計の集計を始めた2008年以来、最も大きい規模だ。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
外為市場(簡単にいうとドルとウォンを売買(両替)するところ)での取引高が、2008-2009年に起こった「韓国通貨危機」以来の規模に膨らんだ、と。
なぜこんなことになったかというと、
今年第1四半期に外国人が国内株を売りさばいて資金を回収したのが影響を受けたものと分析される。同期間、外国人は有価証券市場で15兆5000億ウォンを売り越した。
(後略)
だからだというのです。
つまり、外国人投資家が「韓国に見切りをつけて、それまで持っていた韓国株式を売り払って現金にし(この時点では「ウォン」です)、それをドルに換えたため」で、この「株式売却 ⇒ 代金(ウォン)を入手 ⇒ ドル買い(ドルに両替)」の金額が多かったのだ、と。
「ウォン売り・ドル買い」(= ウォンからドルに両替)が多ければ、ウォンの価値は下がります。つまり「ウォン安」が進行します。
Money1では毎日のように「ドルウォン」レートの変動についてご紹介していますが、2020年01-03月ではウォン安が進行しました。上掲のチャートのとおりです(チャートは『Investing.com』より引用)。
このウォン安進行は「韓国売り」の現われである、と同記事は言っているのです。
まだ「韓国売り」が止まったわけではない!
そして、これまた毎日のようにMoney1でご紹介していますが、この外国人投資家の「韓国株式の売り越し」は止まったわけではありません。
上掲のとおり、直近1週間(2020年04月17-23日)だけでも「8,494億ウォン」を売り越しています。ですので、2020年第1四半期はこうだったねぇ、などと振り返っている場合ではありません。
韓国メディアが「外国人投資家が31日ぶりに戻ってきた!」などと大騒ぎするのは、その動向が「資本逃避」(キャピタル・フライト)と密接に結び付いているからです。
(柏ケミカル@dcp)
危機時に韓国の資産が売られる理由については、『TCKインベストメント』のオハド・トポー会長が非常に的確、かつ簡潔に説明していらっしゃいます。
『中央日報』のインタビュー記事を引いた以下を参照いただければ幸いです。